「免疫力を高めるための運動や、健康な日常生活などを心掛けるようになってきた。例えば、今月初め頃に開催された『フィットネスエクスポ2020(IWF Shanghai2020)』の展示会はものすごい数の来場者で大盛況だった。そして、食品の安全や、健康な食事、衛生管理などに以前より人一倍気を付けるようになった。

 OLたちは、これまで会社の近くのレストランやデリバリでランチをしていたが、最近、弁当を持ってくる人が非常に増えてきた。コロナ自宅軟禁期間中は、多くの人が料理をすることになって、SNSで作った料理を見せ合うのを楽しんでいた。弁当のほうが健康面でも安心」

 筆者はかつて日本の企業に勤務していた頃、「お昼はいつも弁当持参」という話を上海の知人たちに話した際、「えっ?弁当?面倒くさくない?節約しているねー」と、ややさげすんだ目で言われた記憶がある。そもそも冷たいご飯を嫌う中国では、食堂がない工場や現場で働く労働者が仕方なく携帯するというイメージがあり、弁当は日本ほど一般的ではない。また、中国は女性も日常的に働く社会なので専業主婦による「愛妻弁当」という概念もない。

 このため、中国では弁当持参は「節約の手段」であり、ケチくさいというイメージが強かった。実際、筆者も日本側が訪問した中国人に対して、せっかく5000円以上の高級な懐石弁当を用意しても、あまり喜ばれず、冷や汗をかいたことがたびたびある。

 これは昔では考えられなかったことだ。なので、筆者としては「時代の変化」を感じた(ちなみに、コメの品質などの違いもあると思われるが、中国では弁当は温めてから食べるのが常識である)。

ソーシャルディスタンスや
テレワークの限界

 続いて、「コロナの前と変わってないことは何ですか?」と聞いた。

 貿易会社役員(男性・40代)は、飲食店などでのソーシャルディスタンスの限界について述べている。

「レストランが以前と変わらず混み合っている。ソーシャルディスタンスとはいわれているが、レストラン内の席数は減らしておらず、以前のままだ。人気店は店の外まで行列ができていて、店内も店外も混雑している。外出禁止のときでは考えられない光景だ。結局以前と変わらない。やっぱり中国人は食べること、さらに、大人数でワイワイして食べることが好きだね。コロナで閉店した店も多いが、もともとお客さんが入っていなかった店とか、店の入れ替わりだったからだ。おいしい店は繁盛している。高級店でも予約取れないほどお客さんがいっぱいだ。」

 そして、働き方の変化。特に「テレワークの普及」について、中国に6年間滞在するという日系メーカーの日本人駐在員(男性・40代)は、下記のように説明している。

「テレワークが言うほど進んでいない。今やコロナ前と同じく皆が普通に通勤しているし、それは周囲のオフィスの明かりで分かる。ただ、公共交通機関の利用が減り、自家用車での通勤が以前より増えた。商談や打ち合わせは、今は普通に相手に会ってやっている。出張もしている。オンラインの打ち合わせはそれほどやっておらず、電話やメール、動画通話などで行っている。要は、あまり変わっていない」

 それを聞いて、筆者は驚いた。インターネットが進んでいる中国では、とても意外に感じられたからだ。