米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう『WSJ3分解説』。今回は「注意喚起ラベル」の表示をめぐって対立を深めている米ツイッター社とトランプ大統領、さらに反人種差別デモをきっかけに全米に広がった騒乱で揺れる米国社会を取り上げます。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
ツイッターが踏み切った
「注意喚起ラベル」表示
米国社会が大きく揺れています。
きっかけは5月25日に米ミネソタ州ミネアポリスで起こった事件です。黒人男性のジョージ・フロイド氏が白人警察官に膝で首を圧迫されたことで死亡してしまいました。警察官の対応に抗議するデモが全米に広がり、一部では商店の略奪も起こっています。
これに対してトランプ米大統領は28日、ツイッターに「略奪が始まったら発砲が始まる」と投稿しましたが、米ツイッター社はこの投稿が暴力を容認するとして、同社の利用規定に違反すると認定。警告を表示し、その表示をクリックしないとツイート内容が表示できないようにしました。
ただ、すでにこの時点で、ツイッター社とトランプ大統領の間では火種がくすぶっていました。
警告が表示される2日前の26日、大統領選挙等の郵便投票についてトランプ大統領は「不正投票につながる」といった主張をツイッターに投稿。これに対してツイッター社は事実関係の確認をするように促す注意喚起ラベルを、トランプ大統領の投稿に対して初めて表示したのです。
米有力経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)では、一連の騒動を連日報じています。
●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>ツイッター、トランプ氏の投稿に注意喚起ラベル
すぐにトランプ陣営も反応しました。
WSJによれば「トランプ陣営の選対責任者を務めるブラッド・パースケール氏は26日、トランプ氏が有権者にメッセージを伝えるのを妨害し、介入しようとしているとしてツイッターの対応を非難した」ということです。
さらにトランプ大統領は28日、ツイッターのようなソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に与えられている、ユーザーの投稿に対する免責を制限する大統領令に署名し、報復措置を取りました。
米国社会はデモが繰り広げられている路上だけではなく、ネット上も大炎上しているのです。
しかし、SNSにおける炎上や誹謗中傷は今に始まったことではありません。なぜツイッター社は今回、トランプ大統領に対して行動を取ったのでしょうか。
その点については、次ページのWSJの記事に詳しく解説されています。