キリスト教主義校の校風を左右するもの

 ちなみに、キリスト教主義の学校は大きくカトリックとプロテスタントに分けられ、プロテスタントにはいろいろな教派がある。

 しかし、その校風はむしろ組織の運営制度によって左右されるという。普連土学園の青木直人校長は以下のように解説する。

 まず、身分の高いビショップという僧侶が信徒を教えるトップダウン式の監督制。ローマカトリック、聖公会、メソジスト、ルター系で、学校全体が整然としていて落ち着きがあり、真面目な印象がある。栄光学園、立教、香蘭女学校、青山学院、東洋英和女学院、ルーテル学院などが該当する。

 次に、スイスの宗教改革者が始めた、選挙によって選ばれた代表者が指揮を執る長老制。改革派、長老派、ジャン・カルヴァン系の学校では、具体的には名古屋学院、フェリス女学院、明治学院、女子学院などが該当する。

 3つめは一人ひとりが主体的に教会運営に関わる会衆制で、会衆派、パブテスト派、フレンド派(クエーカー派)などである。理知的な雰囲気があり、学生生徒の自主性を重んじる。桜美林、同志社、関東学院、西南学院、普連土などが該当する。

 こうした観点も、子どものタイプに見合った学校選びでは大切になるかもしれない。

 なお、首都圏校長人事に関する記事は7月14日発売のダイヤモンド・セレクト2020年8月号「本当に子どもの力を伸ばす学校」に掲載されているので、併せてご覧いただきたい。

【訂正】記事初出時より以下のように修正しました。
パブテスト派に「関西学院」とありましたが、「関東学院」の間違いでした。関係各位にお詫び申し上げます(2020年7月29日17:45 ダイヤモンド・セレクト編集部)