中学入試の受験率は、高大接続改革の発表以来、連続で増加しているという。特に近年は付属校の人気が高く、その傾向もまだ続いているようだ。中学受験部の茅野達也主席は、その理由として保護者の不安感を指摘する。
「私立大学の定員数厳格化で、MARCHレベルの難度が上昇していること。また、大学の推薦入試の枠が広がって一般入試が厳しくなること、さらに大学入試改革への不透明感があり、早めに大学への切符を確保したいという保護者の方々の意向があります」
一方、大学側も早めに優秀な学生を集めたいため、積極的に付属校・系属校を増やしている。保護者と大学側のニーズが一致して、付属校人気が高まっているのだ。
もう一つの理由は、社会が多様化していること。何がなんでも偏差値の高い有名大学を目指すという価値観から離れ、子どもの才能をじっくり育てたいという保護者が増えている。無理な先取りをしない付属校で、伸び伸びと育てたいというニーズがあるのだ。
また中学入試の傾向として、午後受験が増えている。
「中学受験全体として短期決戦型になっており、特に算数1科目入試を採用する学校が増えています。早稲田アカデミーでも2月1日の受験生の半分以上が午後受験に挑戦しています。また学校側は、裾野を広げるため入試の形態を多様化しており、公立中高一貫校の受験者に対応するべく、適性検査型の入試を採用する私立中も多くあります。Web出願も広がって、併願校の選択肢が増え、1人当たりの出願校数も平均約7校と、かなりの数になっていますね」