論文を査読した米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスの内分泌専門医であるAkankasha Goyal氏は、この研究で示された知見について、「多くの患者が経験的に既に感じていることを証明したもの」とし、「ストレスは血糖コントロールを悪化させる可能性がある。この研究結果は、糖尿病患者がストレスのコントロール策を講じる動機づけになるかもしれない」と述べている。
Goyal氏は、コルチゾールのことを「double whammy(ダブルパンチ)」と表現する。その理由は、コルチゾールは肝臓の糖新生を増やすだけでなく、膵臓からのインスリン分泌を減らすという二重の経路で高血糖に拍車をかけるからだ。加えて2型糖尿病患者では、インスリン抵抗性のためインスリンを効果的に利用できず、血糖値がより上昇してしまう。
このようなストレスによる血糖コントロールへの悪影響を防ぐ方法、特にコロナ禍でのその対策についてGoyal氏は、「可能なら運動をすること」とし、ウォーキングやヨガ、太極拳、またはダンベルを使った筋力トレーニングを勧めている。また、本を読んだり、絵を描いたりするのも良いという。Goyal氏は、これらによるストレスの緩和は“副作用のない薬”だとしている。
またJoseph氏も「糖尿病患者は疾患管理の一環として、ストレス緩和を心がける必要がある」と述べ、「定期的な運動、7~8時間の睡眠、ヨガ、瞑想、音楽鑑賞、健康的な食事」などのアドバイスをしている。(HealthDay News 2020年7月14日)
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