「理系的な発想」がわかる
恋愛マンガ!?
山本アリフレッド著『理系が恋に落ちたので証明してみた。』(メテオCOMICS)

みなさんは、「理系的な発想」と言われたときに、どんなものなのか想像がつくでしょうか?
なんとなく、高校に上がって大学を選択する時に、「理系を選択するとこの科目を勉強するよ」とか「文系を選択するとこの科目だよ」みたいな感じで、大学受験における一つの括りとして捉えてしまって、本当の意味で「理系の考え方」を知る機会は高校生になっても、というか大人になってすら、なかなかないと思います。
しかし、理系的・サイエンスの考え方というのは、学部の上での理系・文系にかかわらず、僕らが生きていく中で非常に大切なものです。
何かを証明するためには、実験をして、数字で測定したものでないといけない。 自分の主観的なものでなく、第三者も納得させることができるような、客観的なものの考え方で何かを証明していかなければならない。
大人になっていくにつれて、そういう思考をする必要がある場面に遭遇することは増えてくると思います。
そこでこの漫画、『理系が恋に落ちたので証明してみた。』です。 これは「恋愛」という主観に満ちたものを「理系的に証明する」という荒唐無稽なことをしようとする主人公たちの姿を描いた漫画です。大真面目に恋愛を科学する姿がシュールで笑える作品なのですが、ただ笑えるだけでなく、きちんと理系的な思考や考え方がよくわかる内容になっています。
楽しみながら、サイエンスの考え方をインストールできるのです。
そしてこの漫画がお薦めなのは、「理系的な考え方の生かし方」まで教えてくれる点です。
恋愛だけではなく、ゲームの選択肢やアトラクションの待ち時間といった、実社会に生かせるような理系の話が頻繁に登場します。
小中学生のときに「なんでこんな勉強をしなければならないんだ!」と考えた経験ありませんか?僕は何度もあります。
でもそんな中で、この漫画を読めば、「ああ、こういう勉強は、実社会のこういうことに生かされているんだ!」と理解できて、学ぶモチベーションが上がります。そうした経験というのは、必ず子どもにとって大きな影響をもたらしてくれると思います。