追跡期間中に2万1,777件の疾患発症が記録されており、そのうち冠動脈疾患が1万4,043件で、心筋梗塞は4,667件だった。その他、脳血管障害が2,735件、心不全が332件記録されていた。

 プール解析の結果、チョコレートの摂取頻度が週に1回以下の場合と比較して、週に1回または月に3.5回を上回る場合、冠動脈疾患の相対リスク(RR)が0.92(95%信頼区間0.86~0.99)となり、8%の有意なリスク低下が確認された。また、6件の研究のうち、摂取頻度を「月に3.5回」で分類して比較検討し結果は非有意と報告している1件の研究を除外し、摂取頻度が週1回以下と1回を上回る場合とで比較すると、RRは0.90(同0.84~0.94)となり、リスク低下幅が10%に広がった。 

 Krittanawong氏は、「チョコレートには、炎症を抑制し善玉コレステロールを増やすフラボノイドなどが含まれていて、血管に良く心臓を保護するような働きもある。ただし、今回の研究は観察研究であるため因果関係には言及できない」と述べている。さらに、市販のチョコレートには砂糖や牛乳が使われていて、脂肪分やカロリーが多いため、肥満や糖尿病の人の場合、食事療法の範囲内での摂取を考慮しなければならない」と注意を促している。