また、今回の研究では解析対象者の生活習慣などの背景因子が考慮されておらず、どのようなタイプのチョコレートを食べていたのかも分からない。特にチョコレートのタイプが心臓の健康にとって重要な可能性があり、それが検討されていないことはこの研究の限界と言える。
一般的には、チョコレートに含まれる有益な成分は主にカカオに由来するため、ミルクチョコレートではなくダークチョコレートが推奨される。米国の心臓病専門医であるJohn Osborne氏も、「ミルクチョコレートはチョコレートと砂糖、脂肪でできている」と指摘した上で、「本研究で示されたチョコレートのメリットはそれほど大きなものではなく、ダークチョコレートを摂取するとしても1日に1オンス(28g)以上は摂取すべきでない」と述べている。
米レノックス・ヒル病院のLen Horovitz氏もまた、「チョコレートにはメリットがあるかもしれないが、有益な成分ばかりではない。砂糖と脂肪を含み、カロリーが高いことを忘れずに、1日に小さなチョコレートを1個程度にしておいた方が良い」とし、「本当に心臓の健康を維持したいのなら、週に3~4回の運動を継続して、適切な体重を維持することの方がはるかに有益だ」と付け加えている。
(HealthDay News 2020年7月23日)
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