GDで最も大事なことは
まず共通認識を確認すること

 GDにおいて大事なこととは何だろうか。結論から述べると、それは「共通認識を確認しながら議論を前に進めること」である。

 失敗例から紹介した方がイメージしやすいだろう。よくあるGDの失敗例として、参加者が思い思いのことを話し、議論が紛糾するケースが挙げられる。実際のビジネスのシーンでも、議論をする際に目的意識や前提条件を互いに理解せずに、建設的な議論をすることは難しいだろう。

 GDの難しいところは、誰とどんなことを議論するかが、その場に行くまでは分からないところにある。だからこそ、出されたお題を理解し、初めて会った参加者同士が積極的に共通認識を得ようとすることが重要になる。

 会議や商談で大事なことは、合意形成である。議論を通じて参加者の意見の一致を図るための、大切なプロセスだ。合意形成のために、参加者の共通認識を確認しながら議論を進めることは重要だ。その合意形成プロセスを「議論を前に進める」という表現として、ここでは使っていきたい。

 共通認識を確認する上で何より重要なことは、自分たちが「誰の、何のために議論をしているのか」という点を明確にすることである。議論をする際に自分たちの立ち位置や立場があいまいであったり、認識のズレがあったりすると、議論の進行や結論に大きく影響する。

  例えば、先ほど挙げた「コンビニチェーンの売り上げを倍にするには」というお題に対して、どの立場から考えるのか。コンビニの店長なのか、コンビニチェーンの本社社長なのか、コンビニチェーンから依頼を受けたコンサルタントなのか。それぞれの立場によって使えるリソース(材料)が変わってくるので、議論が紛糾したり論点を見失ったりしないよう、まず自分たちの立ち位置や立場の確認が必要になる。