徹底した自粛によって疲労が蓄積されるとは、なんとも皮肉な話だ。そんな在宅ワーク疲れの解消には、生活リズムを整えて睡眠の質を上げる必要があるという。

「まず、朝は平日も休日も同じ時間に起きるのがポイントです。起床後、コップ1杯の水を飲むと、腸が刺激されることで副交感神経が高まり、自律神経が整えられます。さらにベランダに出て、5分以上明るい光を浴びると、目が覚めて体内時計がリセットされます。晴天なら2万5000ルクス(*)、雨の日でも5000ルクスの光を浴びることができるので、十分効果が期待できます。一方、室内の照明は500~1000ルクス程度しかないので、体内時計をリセットできません」

 また、朝日を浴びると「セロトニン」という脳内物質が分泌される。朝に分泌されたセロトニンは、14~16時間後に睡眠を促すホルモン「メラトニン」に変化して、夜になると自然な眠気が訪れるという。

「朝食も睡眠の質を上げる大切な習慣です。朝食では、必須アミノ酸の『トリプトファン』と『ビタミンB6』という栄養素が含まれている食材を食べると、セロトニンを体内で合成することができます。おすすめは、バナナ、ヨーグルト、納豆や玄米などが代表的。どうしても朝食が食べられない、という人はガムをかんでください。しっかり咀嚼をすることもセロトニンの分泌につながります」

 就業時間が決まっている場合は、毎日同じ時間に作業を始め、昼には昼食を取る。午後になって眠気を感じたら15時になる前に20分程度の仮眠をすると、その後のパフォーマンスが向上するという。

「気兼ねなく仮眠できるのが、在宅ワークのメリットです。ただし、1時間以上も眠ってしまうと夜の睡眠の質を下げるので注意しましょう。寝すぎてしまう人は、仮眠の前にコーヒーでカフェインを取ると、20分ほどで覚醒できるのでおすすめです。とはいえ、カフェインを取りすぎると交感神経が優位になるので、コーヒーは1日2~3杯、15時までと決めて飲むようにしてください」

 夜遅くまでコーヒーを飲んでいると、就寝時に体にカフェインが残っているため、眠りが浅くなってしまうとか。コーヒー好きには耳が痛い話だが、節制する必要がありそうだ。

(*)ルクス…明るさの単位