社内SNSなどソーシャル・プラットフォームに興味はあるが、おっかなびっくりで腰が引けている企業は多い。未成熟なツールであり、その柔軟ゆえに難しい面はあるが、現実に成功している企業は存在する。
第16回に引き続き今回も欧米のベスト・プラクティスであるBT、IBM、ベストバイの事例(第13~15回)を参考に、ソーシャル・プラットフォームについての考え方を整理したい。前回は共通点についてまとめたが、今回は違いについてフォーカスして議論する。
会社が違えば前提も変わる
組織にあった戦略を練ろう
ソーシャル・プラットフォームは、基本的に従業員の自発性・自主性にゆだねられる。したがって、会社によってかなりの差異が生じる。逆に言えば、それぞれの組織に適した目的の設定や企画、運営が不可欠となる。
まず、3社のプロジェクトの起こりをみてみよう。
IBMは、ソフトウェアや情報システムを開発するのが生業であり、開発部隊から出されたソーシャル・プラットフォーム向けソフトのテストという特殊事情があった。
BTでは、全社的なプロジェクトとして計画的に始められ、世界中の組織で使われることを前提に進められている。
一方、ベストバイの社内SNSは、全く異なる目的がきっかけとなり、最初は個人のポケットマネー、そしてマーケティング部門の予算で実行された。そのインパクトを目の当たりにして、会社としても認めたという、BTとは逆の成り立ちだ。ちなみに、ベストバイのソーシャル・プラットフォームのURLが会社のファイアーウォールの外にあるのは、こうした経緯のためである。
では、BTとベストバイを組織の視点から比較してみよう。