例えば、投資先の社長に1時間面談したときでも、会議内容はメモを取らずに覚えています。「今期27億円の利益が来期41億円になる」と聞いたら、普通の人は計算機を取り出して伸び率を計算するでしょうが、彼らは「52%の伸びだ」と瞬時に暗算してしまいます。

 本書をまじめに学べば、そうした人と互角にやれるだけの力がつくのです。生まれつき投資の才覚のないぼくが、世界の第一線のファンドマネージャーになれたのだから、皆さんも同様の力をつけることができる、というのがぼくのいいたいことです。「そんなの無理に決まっている。肩書を見たら、お前だって修士課程に行っているじゃないか」と思った方は見込みがあります。自分が納得するまで信じないという態度は相場では重要だからです。

 計算能力を例にとって、典型的な友人たち(プロ中のプロ)とぼくとを比較すれば、文科系の大学に進んだぼくはごく普通のレベルです。それに対して、金融界のトップの友人たちは小さい頃から「神童」とか「学校開校以来の秀才」と呼ばれていて、数学や物理学の分野に進んでも、世界トップクラスの業績をあげられるようなレベルです。元のできが違います。たとえぼくが博士号を持っていたとしても、そんなものは吹けば飛ぶような重みしかありません。「だったら、お前がどうしてプロ中のプロの列に加わることができたんだ。それって嘘じゃないのか?」と突っ込まれそうです。悲観的な方の中には、「自分は大した学校を出ていない。無理だ……」と思う方もいらっしゃるでしょう。懐疑的になっている人こそ、ぼくの話に耳を傾けてみてください。

達人(公式)を味方にすれば、怖くない

 投資運用のトップ・ファンドマネージャーは絶え間ないストレスにさらされているせいか、腰痛持ちや血糖値の高い人、そのほか健康面で問題を抱えている人が多いことにぼくは気づきました。このとき「だったら勝てる」と勝機を見出したのです。「健康問題と投資の成績とに、どんな関係があるんだ」と思うのは当然の疑問です。「不健康な人は仕事に身が入らないから、健康人は勝てる」という単純な論理ではありません。

 以前、ぼく自身が重度の腰痛に悩みました。都内で高名な医者(プロ中のプロのレベル)に行きましたが、改善はしたものの、完治には至りませんでした。途中で諦めかけもしましたが、最終的には日本最高の達人の医師に治療をお願いすることができました。それは想像を絶する実力でした。達人は診察室に入ってくるぼくを見た瞬間に、ぼくの病状を見抜いたのです。おかげで、ぼくは今では人一倍健康になりました。