現在、新型コロナウイルスの感染拡大により、日本は実際に不況に陥っている。日銀は、量的・質的金融緩和(QQE)をさらに拡大することで対応している。すなわち、国債買い入れやドルオペ(ドル供給)を含む一層潤沢な資金供給、企業金融支援のための措置(民間企業債務を担保にゼロ%での資金供給)、ETF、REITの積極的な買い入れなどを行っている。

リーマンショック時と比べてショックを和らげた金融緩和

 その結果、どうなったか。下図は、2000年以降の日経平均と円の為替レートの動きを示したものである。

 リーマンショック時(2008年9月)には、それ以前のパリバショック時(2007年8月)から考えれば、日経平均株価は1万円下落、円は40円も上昇した。一方、コロナショックでは、日経平均は4000円下落(その後、8月以降、ショック前の水準を取り戻した)、円は数円の上昇で済んでいる。

 これは、金融政策が、コロナショックに対し、かつてのリーマンショックに対してよりも、より適切に対処できているからである。すなわち、QQEのより一層の拡大を行っているからである。

 もし、コロナショックが1四半期で終わるものなら、その期間だけお金を借りることができればショックを受け流すことができるだろう。100年に一度のパンデミックなら、100年かけて返済してもよいという理屈だ。

 しかしそのショックは、1四半期では終わらない。そもそも外出してはいけないというのが感染防止の基本なのだが、外出しなければ働けない、お客に外出してもらわなければ提供できないサービスがある。飲食、旅行、生のエンターテインメントである。金融政策は、これらの人々を助けることができるが、限度がある。政府が、これらの人々に休業支援金、生活給付金を配るしかない状況がある。