文系のなかには、理系コンプレックスを抱えている人は少なくありません。しかし、「読書においては文系がまさっている」と、この本に出合うまではそう思っていました。しかし……。新刊『理系読書 読書効率を最大化する超合理的サイクル』は、理系が実践している合理的な方法を読書に応用した技術です。著者は、東大生500人以上、医大生を2000人以上輩出した元駿台予備学校ナンバーワン化学講師で、バリバリの理系。本をまるで理科の実験のように扱い、最短最速でスキルハントする。インプットとアウトプットが速すぎて、これにはもうお手上げです。「速く読むこと」や「大量に覚えること」を目的とする読書術とは、一線を画した内容。最短最速で著者の経験知やノウハウを自分の頭にインストールし、自分の問題解決に役立てる至極の読書術です。

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できる理系は読書で「5つの力」を高めている

 ビジネス書や実用書、学習参考書など、本を読む人は、何らかの「答え」を求めています。しかし、「本を読んでも頭がよくなった気がしない」、そう思う人もいるようです。

 本をただ読めばいい――そう思っている人は少ないと思います。

 理系は知識が豊富で、情報のアップデートが早いと感じるなら、科学や数学などの学問を習得するプロセスにおいて、文系出身の方とは異なった本の読み方をしているはずです。

 私は、それを「理系脳読書術」と呼んでいます。理系脳読書術、略して「理系読書」は、超合理的な知的生産システムであり、この読書スキルで、本の情報処理速度が速くなり、本の内容を忘れにくくなります。

 なかでも、次の5つの力が備わるのが大きな特徴ではないでしょうか。

・問題発見力
・抽象化力
・仮説思考力
・行動デザイン力
・評価重視力

 理系読書でビジネス必携の「5つの力」が身につくと、どのような効果をもたらすのでしょうか? 順に追っていきましょう。

1.問題発見力――自分の「ニーズ」を明確にできる

 1つ目の「問題発見力」とは、「自分には何ができないのか」「なぜそれができていないのか」、問題を見つける能力のことです。理系読書では、自分自身の問題点の解像度を上げます。

 たとえば、「話し方がなかなか上達しない」ではなく、「いつも長々と話してしまう」「人前に出ると、いつも緊張して話す内容を忘れてしまう」「資料を見ながら話そうとすると、声がこもってしまう」のように、問題点をより具体的に、より詳細にします。

 こうすることで、自分の問題意識が高まり、読書へのニーズが強化されます。その結果、読むべき本の選書の精度も上がり、問題解決に向けた必要な情報の絞り込みも容易になるのです。

 理系読書はムダな情報に触れることをできるだけ排除する「合理的な読書術」といえます。