要するに「水ぼうそうにかかる赤ちゃんや子ども」が減ったことにより、大人になってから受ける「ブースター効果」の機会も減り、その影響が高齢者よりも「子育て世代」に大きく表れた格好だ。

 今後、帯状疱疹は、あらゆる年代で発症する病気ということになっていくだろう。

早期発見・早期治療が大切だが
「ただの腰痛」と受診が遅れる場合もある

 近い将来、高齢者以外の患者急増が予測される帯状疱疹だが、実は2016年から受けられるようになった予防接種の対象は「基本的に」50歳以上で、子育て世代は含まれない。

「基本的に」というのは、水ぼうそうの予防目的であれば接種できるからだ。とはいえ当該世代の対策は、予防を考えるよりは早期発見によって早めに抗ウイルス薬を投与し、帯状疱疹後神経痛を起こさないようにすることが大切になる。

 帯状疱疹の症状には個人差があるが、多くは皮膚に起きる神経痛のような痛みから始まる。一口に痛みといっても、皮膚の違和感やかゆみ、しびれとして感じる程度から、ピリピリ、ズキズキ、チクチク、針で刺されたような痛みや、焼けるような痛みまでさまざまだ。その後は、水ぶくれを伴う赤い発疹が帯状にあらわれ、痛みは次第に強くなり、眠れないほど痛むこともある。強い痛みや皮膚の症状は、主に体の左右のどちらかにみられるのが帯状疱疹の特徴で、3~4週間ほど続く。

 発疹や水ぶくれなどは治療を行わなくても治る場合もあるが、治療が遅れたり、治療されないまま放置されると、頭痛や39度以上の発熱などの全身症状が現れることもある上に、帯状疱疹後神経痛になるリスクも高まる。できる限り早く医療機関を受診し、治療を始めることが重要だ。

 ただ、中には、発疹があらわれる前の神経痛のような皮膚の痛みが、数日間も続く患者も多く、その場合には、ただの腰痛と判断して湿布を貼り、皮疹が出てきても湿布によるかぶれと思い込み、受診が遅くなる患者もいるという。

 体の左右どちらかに、それっぽい違和感や痛みがあらわれたら我慢は禁物。発疹がなくとも急いで皮膚科を受診しよう。