そもそも、昔は多くの人が「死ぬ前の日」まで、活動的に過ごしていた。

 大昔の時代は、考古学者が推計するしかないのだが、30代で死んでいたようだ。現代とは異なる理由で死ぬことが多かったはずだ。飢餓や戦も多く、自然に死ぬまで生きるわけでもなかったはず。

 江戸時代くらいになると記録は残っていて、平和な江戸時代中期でも40代だったようだ。豊臣秀吉は60歳を超えて生きたし、伊達政宗も68歳まで生きた。いやいや、徳川家康は75歳まで生きたぞ、という記録は確かにあるのだが、これは「特別な例」と思うべきだろう。

日本で生命表ができたのは
明治24年だった

 日本で生命表という、何歳まで生きているか、という統計が発表されたのは、1891年、明治24年だった。どのような時代であったかというと、その4年前(1877年)に西南戦争が起きた。西郷隆盛を司令官とする士族による内乱であるが7カ月で終わる。その前年(1890年)は、衆議院選挙があり、教育勅語発布、第一回帝国議会が招集された。明治の時代が安定期にはいった時期だ。

 第1回の記念すべき生命表は、当時の国勢調査によってつくられたものだ。さっそく表をみてみよう。この年、平均寿命は、男42.8才、女44.3才であった。平均寿命とは、一定の前提のもと、その年に生まれた人が何歳までいきるか、という推計だ。