「0歳の男女がそれぞれ何年生きられるか」
という考え方

 ここで、生命表の見方を、おさらいしておきたい。

 年齢の縦軸は、1891年時点で、何歳である人、として見る。

 例えば、1981年時点で10歳とすると、年齢の行を見て10(歳)を探す。10歳を探したら横軸をたどると、男47.5歳、女51.5歳とある。1891年に10歳だった人は、平均的には、男はもう47.5年、女はもう51.5年生きるという統計的数値である。

 これを、10歳の人の平均余命という。表は5歳おきしか記載していないが、すべての年齢における死亡率が実際には調査されている。

 0歳の人の平均余命がその年の日本人の平均寿命と一致する。つまり、「0歳の男女がそれぞれ何年生きられるか」という考え方が平均寿命なのだ。計算方法は後述する。

 よく見ると、0歳の人は42.8年(男)、44.3年(女)である。5歳の人は、男女とも、もう50年以上生きられるのに、0歳の人は40年少々しか生きられないというのは少しおかしいようにも思える。これは、生まれてすぐ死ぬからだ。

 昔は生まれる前後は死亡率が高かったのだ。子どもも命がけで生まれてきたのである。母親も命がけで生んでいた。子供のうちは病気にもかかりやすい。5歳まで生きていれば、その後は50年以上生きられる。20歳まで生きていれば、その後は40年くらい生きられる。そんな時代だったのだ。

2020年に発表された
最新の生命表を見ると…

 現代に戻って、2019年のデータをもとに2020年に発表された最新の生命表を見てみよう。

 死亡率も記した。2019年に0歳の男女の死亡率が、2019年のそのほかの年齢の死亡状況と同一であった場合に平均的に到達する年齢が平均寿命だ。

 決して、2019年に死んだ人の平均年齢ではないことに注意されたい。

 こうした数値は生命表とは関係ない。ちなみに、2019年に死んだ人は約130万人いるが、死亡者の平均年齢は発表されていないし、(地方単位では統計があるかもしれないが)、国の統計としては存在しない。