『世界一受けたい授業』など多数のメディアで注目されている“HSP(Highly Sensitive Person)”をご存じでしょうか?「些細なことが気になって疲れてしまう」「真面目すぎる」など、個人の性格だと思われてきたものが、研究によって、実は「生まれつき繊細な人」が「5人に1人」の割合でいることがわかってきました。
発売から立て続けに重版し、累計10万部を突破したHSP専門カウンセラー・武田友紀氏の『今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト』(ダイヤモンド社刊)では、そんな生まれつきの気質を持つ「繊細さん」が、「繊細さん」だからこそ深く味わえる幸せに気づき、伸ばしていくコツを紹介しています。本記事では、同書より一部を公開します。

繊細さんは自分が育つとき「アウトプット」がふえるPhoto: Adobe Stock

人生の転機は「自分の気持ち」が出てくる

 仕事や人間関係についてご相談いただいたあと、しばらくして、相談者さんから「ブログを始めました」「noteを始めました」など、お便りをいただくことがあります。

 私のカウンセリングの相談者さんは、人生の転機にさしかかっている方が大半です。ストレスに耐えてまわりを優先する生き方から脱出し、自分の本音を大切にする生き方へと舵を切る。そのタイミングでご相談にいらっしゃいます。

 その時期には、それまでひっそり存在していた「自分の気持ち」が、前面に出てきます。

「自分」が育つ時期には、アウトプットがふえるのです。誰にも見せない日記でも、不特定多数の人に公開するブログでも、「書く」という行為には、自分を知り、受け止める作用があります。

 日々の出来事に対して自分がどう思ったのか、そのときそう感じたのはどうしてか。「人からみてどうか」「誰かの役に立つか」といった他者視点をいったん脇に置いて「本当に思っていること」を書くと、自分がどんなことに心を惹かれ、なにが嫌いなのかがわかってきます。

 書くことは、自分の気持ちや考えの存在を認めていく行為です。書き出されたものを目で見て、「そうか、そう思ったんだね」と肯定することでもあるのです。

 誰かに自分の話を聞いてもらえると、嬉しいですよね。書くことは、自分で自分の話を聞いてあげるということ。自分とのつながりが強くなるのです。

(本原稿は『今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト』武田友紀著の抜粋です)