2020年もあとわずか。コロナ第三波が到来する中、ビジネスパーソンの中でも、リモートワーク大歓迎の「リモート強者」とリモート化になじめない「リモート弱者」に二極化しつつある。
あなたは「リモート強者」か?「リモート弱者」か?
そんな時、心強い味方が現れた。
ITビギナーから「Google最高位パートナー」と呼ばれ、絶大な信頼を得ている平塚知真子氏だ。
平塚氏は、Googleが授与する資格(Google認定トレーナー/Google Cloud Partner Specialization Education)を2つ保有する国内唯一の女性トレーナー経営者。
初の単著『Google式10Xリモート仕事術──あなたはまだホントのGoogleを知らない』が発売たちまち重版。大胆にもGoogleの70近いアプリを「10」に厳選。「10%改善するより10倍にするほうがカンタン」というGoogle急成長の秘密「10X(テンエックス)」で成果を10倍にする「10X(テンエックス)・10(テン)アプリ」をフルカラーで初めて公開した。
“日本一のマーケッター”の神田昌典氏(マーケティングの世界的権威ECHO賞・国際審査員)も「こんな使い方、あったのか」と絶賛するノウハウとはどんなものか。
では、“リモート弱者”が“リモート強者”になる、誰も教えてくれなかった方法を紹介しよう。

目標にゼロを1つ足すだけで<br />成果が10倍になる<br />Google 式10X(テンエックス)思考法Photo: Adobe Stock

★質問
 変化のスピードが早く先行きが不透明な時代、この先をどう考えればいいのでしょうか?

 Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べたVUCA(ブーカ)。本当にそのとおり正解がない時代になりました。

 VUCA時代をITで生き抜く具体的ヒントを教えてください。

☆回答
 あなたの目標を数値化して、ゼロを1つだけ足してみてください。

「VUCA」は現在のビジネスが置かれた、不安定で正解がまだ見つかっていない状況を表す言葉。今のビジネス環境は、
・技術革新により、短期間で状況が急激に変わる(変動性)
・「想定外」の出来事が起きることで1年先も確実とはいえない(不確実性)
・経済のグローバル化が進んだ現代社会は、変数が複雑に絡み合い、解決が困難(複雑性)
・価値観の多様化、技術革新により業界の区分が曖昧になるなど明確な正解がない(曖昧性)
状態であり、予定を立ててもその通りには行かず、将来の予測が誰もが困難な時代なのです。

 その「VUCA時代」に、リーダーはどう対応すべきでしょうか。

 このヒントが Google 式10X(テンエックス)という思考法です。

「10X」は、 Google が短期間(約20年間)に約18兆円企業に成長できた「秘密」といわれます。

 ビジネスでは、前年より10%増の目標を目指すのが一般的です。

 ところが、Google では上司がおもむろに近づき、吟味して算出した目標数値に「0」を1つ書き足すといいます。

 つまりこれが「10X(テンエックス)」

 10をX(かける)わけです。

 ここで、あなた自身の10Xを実際に考えてみましょう。

 まず、あなたの一番望む状態や達成したい目標を、1つだけ紙に書きましょう。

 さらに、その目標を数値化してみます。

 その数字に「0」を「1つ」書き足してください。

 これが10Xになります。

 どんな気持ちになりましたか?

 0を1つ書き足すといっても、想像がつかないですよね。

 最初は私もそうでした。

「絵に描いた餅になるだけじゃないの?」
「そんな大それたこと、自分が考えても意味がない」
「10倍とか意味ないし、無理でしょ」

 そう思うのが極めて自然です。

 でも、10Xを掲げるとき、ちょっとしたコツがあります。

 まず、10Xを考えるとき、今、あなたが「ない」とか「不十分」だと思っていることを考える必要は一切ありません。

「できない理由」を考えるのは、とりあえず、やめておきましょう。

 10Xを掲げても、誰かに迷惑をかけることはありません。

 1円もお金がかからないのです。

 そう、やって損するようなことは一つもないことに気づきましょう。

 そして、一番重要なことは、この10Xを考えることは、「今」ではなく、目標が達成できた「未来」に目を向けるトレーニングだということです。

 あなたの10Xの目標は、「誰を」「どんな状態」にするものでしょうか。

 具体的にゴールをイメージし、ストーリーをつくってみましょう。

 そして、もしこの10X目標が達成できたら、あなた自身はいったい「どんな気持ち」になっているでしょうか。

 あなたの周囲の人たちはどんな反応をするでしょうか。一緒に喜んでくれるでしょうか。

 その瞬間の情景や気持ちをイキイキと想像し、今、味わってみてください。

 ワクワクできましたか?

 自分が誇りに思えて、ニヤニヤしてしまった人もいるかもしれません。

 それだけで成功です。

 その10Xに対し、あなたがこれから真剣に取り組むだけの価値があると思えたら、後は実行あるのみ。

 そのときに、デジタルツールの効果的な使い方を知っていると、一気に時間を短縮でき、広く深く人とつながることができます。

 大切なのは「未来からの逆算」です。

 10Xは果てしなく大きい。1週間や1ヵ月ではとても達成できないので、やはり無理という思いが湧き上がってくるかもしれません。

 そんなときは、やるべきことを小さく分解してみましょう。

 理想の未来から逆算し、今日できることをしっかりやる。たとえ小さな一歩でも着実に10Xに向かって歩めばいいのです。

 Think Big, Start Small.

 大きく考え、小さく始めよう

 こんな Google の考え方をぜひあなたの毎日に取り入れ、 Google のアプリ群を活用して生産性を劇的向上できる『Google式10Xリモート仕事術』を書きました。ぜひご活用ください。

平塚知真子(Chimako Hiratsuka)
Google 最高位パートナー/イーディーエル株式会社代表取締役
Google が授与する最高位の肩書(Google 認定トレーナー/Google Cloud Partner Specialization Education)を2つ保有する国内唯一の女性トレーナー経営者。数時間でITスキルを劇的に引き上げる指導に定評があり、教育分野において Google から絶大な信頼を得ている。早稲田大学第一文学部(教育学専修)卒。筑波大学大学院教育研究科修了(教育学修士)。筑波大学大学院非常勤講師。アルマ・クリエイション株式会社主催「クロスセクター・リーダーズアワード」2年連続最優秀MVP(2019年、2020年)。常陽銀行主催第3回常陽ビジネスアワード「ウーマノミクス賞」379プラン中第2位(2015年)。出版社勤務を経て専業主婦になるも、学習欲が高じて大学院に進学。在学中に事業欲が高まり、IT教育会社を起業し、現在に至る。「日本に最高のITスキルを伝え、広める」を信条に、教育関連者やビジネスパーソンへ最新のITおよびクラウドスキルを指導中。パソコンやタブレットを四六時中見ているため、月に1回はデジタル断捨離し、温泉をめぐることが趣味。1968年生まれ。夫と1男1女。茨城県つくば市在住。本書が初の単著。