【お寺の掲示板83】コロナの時代に染みる4つの作品永明寺(福岡) 投稿者:@matsuzakichikai [2020年8月28日]

今年で3回目となる「輝け!お寺の掲示板大賞2020」、前回に引き続き、時代と世相を映す受賞作品をご紹介します。今回は、仏教伝道協会賞、文化時報賞、フリースタイルな僧侶たち賞、まいてら賞の4作品をお届けいたします。

万博のロゴマークが登場した意味

 今回は3作品が選ばれた主催団体からの「仏教伝道協会賞」。その2本目は、「阿弥陀 動きます。」で2019年の掲示板大賞を受賞した福岡県北九州市にある浄土真宗本願寺派の永明寺の作品です。

 2020年の流行語になった“ぴえん”を織り込んだ掲示を行うなど、住職の松崎智海さんは時流を逃さない掲示板職人として定評があります。

 今回の受賞作では、2025年に大阪で開催予定の万国博覧会のロゴマークがお数珠になって描かれています。これは住職が博覧会協会に使用許可の確認をとって作成したそうです。この大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。ロゴマークはセル(細胞)をコンセプトとして、「いのちの輝き」を表現しているそうです。

 ロゴマークと仏教にいったい何の関係があるのでしょうか? 阿弥陀仏の性質は一般的に「無量寿」(限りない命)、「無量光」(限りない光)と言われています。コンセプトの「いのちの輝き」と合致するため、このロゴマークが登場しました。

 また、「無量寿」とは時間的無限性、「無量光」とは空間的無辺性を表しています。これは阿弥陀仏の光は、時間や空間的な制限を超えて存在しているということであり、救いの光は日本にいる私たちにだけでなく万国に届いている、という気持ちも込められています。