ウォーレン・バフェット氏は
コーラの転売で稼いでいた
いまは品薄が見込まれる商品を大量購入して、インターネットで高く売り、利ざやで稼ぐ「転売ヤー」が問題視されていますが、古本の世界では古本街などで古本を安く買って高く売る「せどり」が、それこそ古くから行われてきました。
いま思うと、私は中学生時代に経験した古本のせどりで、初めてビジネスの仕組みを学んだのです。
世界屈指の投資家で“投資の神様”と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、6歳の頃から祖父が営む店で6本セットのコカ・コーラを25セントで買い、それを1本5セントで転売して利ザヤを稼いでいたという話があります。
全部売れれば5セント、利率にして20%にもなります。
大人の価値観からすると小さな金額だとしても、実体験から得られる学びは大きいのです。
世の中には「需要」と「供給」があって、供給の多いところから仕入れて、需要の多いところに売る。これが“物販ビジネスの基本”です。
それは15~16世紀の大航海時代にインドやアジアで生産された香辛料が、ヨーロッパで高値で取引されていたのと同じ理屈です。
私は「ビジネスは、人からお金を借りてやっても良い」ということも学びました。
一般的に「借金は悪」というイメージはありますが、お金を借りて支払う「金利」以上の収入を安定的に得ながらビジネスを継続できれば、その借金は活きた借金になります。
実際、多くの企業が銀行からお金を借りて、先行投資しながらビジネスを展開しているわけです。
中学時代の経験は、のちに株式投資にも活きました。
株式投資をしていると、年1回あるかないかですが、「これは本当にチャンスだ!」という絶好の投資タイミングが訪れます。
そのときに「信用取引」を利用してレバレッジをかけることで、短期間で効率良く資産を増やすことができました。
信用取引は、証券会社にいわば「借金」をして投資する手法です。
現金や株式を担保として証券会社に差し入れ、証券会社からお金や株式を借りて取引することで、最大3.3倍の金額を投資できます。
投資に成功すれば利益が約3.3倍に拡大する一方、失敗すれば損失が約3.3倍に膨らんでしまいますから、一般的にはリスキーな取引と見られています。
その理屈は正しいのですが、私自身は投資家として資産を増加させる過程で、本当にチャンスだと見たときに活用してきました。
中学生時代の経験が、株式投資に通じるなんて、当時は思ってもいませんでした(笑)