(1)「やって当たり前」ではなく、自分を褒める

「やらない子育て」とは文字通り「やらない」のです。何をやらないか? それは「お世話」です。「きちんと」で想像する子育ての作業は「お世話」的な作業であることが多いと思いませんか?今こそ「子育て=お世話」という考え方を変える時です。

 お世話の部分はいわば代わりや手抜きがきく部分です。料理は手作りの代わりに市販のものにすればいいし、自分でやらなくても家事代行で間に合います。夫にもっと家事育児に参加してもらうのもいいでしょう。使えるものは使い、手を抜けるところは徹底して手を抜く。

「やらない子育て」には子どもの生きる力を高める二次的効果があるのだから、そこで罪悪感を感じなくていいのです。そして、「やらない」自分を褒める。子どもが生きる力を育む機会を作ることができる自分を、最低限のやることを精一杯でやっている自分を褒めることです。

 家事育児は「やってもらって当たり前」という意識があるからか、「ありがとう」と感謝されることが少ない仕事です。やってもやっても感謝されなければ自己肯定感は下がっていきます。「自分ってなんなのだろう」という具合に。

 だから、まずは自分で自分を褒めましょう。やって当たり前、できて当たり前、なんてことはありません。母親になり妻になり慣れないことをやっているあなたはすごいのです。だからどんな小さなことでもやったら自分を褒める。

「いやいや、母親の仕事は子どものお世話じゃないの?」と思われるかもしれません。確かに1人で何もできない乳幼児期には母親が子どものお世話に集中することが必須です。ですが、対話ができるようになってくる3歳頃になったら「やらない子育て」にシフトしましょう。

(2)「自分の時間」をあらかじめブロックする

 自分で考え、自分の正解を見つけ、主体性を持って進み、失敗したら立ち上がり、自らの人生を切り開いていく――どんな親も子どもがそう育っていってほしいと思っているのではないでしょうか。

 そのためには母親自身が「自立した人生」を送るロールモデルにならなければなりません。だから、親であるあなたも自分の時間を作って、自分はどう生きたいのか、何をやりたいのか、に向き合いましょう。

 私は夜10時半以降は「ママにはママの人生があるの。だからここからは重子の時間」と娘が小さい頃から言っていました。その時間を自分の生き方を模索したり、キャリアアップのための勉強をする時間として使ったのです。

 おやつはいつだって市販だったし、夕飯は15分クッキング、失敗もいっぱいしたし、挫折もありました。時に髪を振り乱しての日々でしたが、娘はそんな完璧とは程遠い母親としての私の生き方を見て育ちました。娘のスカイは自分の意志で「全米最優秀女子高生」という奨学金コンテストに応募し、優勝しました。

 子どもに主体性を持ってもらうには、まず親自身が主体性を持つ。そのためにはしっかり「自分の時間」をブロックすることです。