すると、リーマンショックから教訓を得た政府と中央銀行は、未曾有の規模の金融緩和とこれを後押しする効果を持つ財政的な対策を行った。この過程で、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)が信用リスクのある社債も含めて社債を大規模に購入する政策に踏み切り、社債市場を下支えした。

 そして、その後、(1)金融・財政政策が最悪期に対応した異次元の規模である一方で経済活動が再開されて実体経済が最悪期から回復したこと、さらに、(2)コロナの感染が続いていることにより金融・財政両面からの対策の継続が予想されることから、株価は日米ともに高値圏にある。現在は、(2)の効果が優勢であるように見えるが、このコロナ対策によるバブルを「コロナバブル」とでも名付けておこう。

 そこで現状はどうなのかというと、「コロナバブル」の影響が圧倒的である一方、対国債利回りにおける社債の利回りのスプレッドが低下しているということは、「社債バブル」もまだ崩壊していない、という状況にある。また、英・米でワクチンの接種が始まったとはいえ、コロナ問題は現在も継続中だ。

コロナが消えると何が起こる?
それが「今」だとすると危ない

 では、将来コロナ問題の解消が見えてきた場合に、何が起こるだろうか。金融・財政的な政策の後退が起こると「コロナバブル」の継続が期待できなくなり、「社債バブル」的なメカニズムが維持されるかどうかが問題になる。

 仮にそれが「今」だとすると、危ない。先の日経新聞の記事にあったように、社債のデフォルトや債務返済に不安のある企業の数が増えているのだから、社債市場に対する政策的な支えがなくなると「社債バブル」も崩壊する可能性が高い。もちろん、今すぐにはコロナ問題は片付かないのでこの心配は現実的ではない。

 一方、前述のように「社債バブル」は、企業経営者にも金融機関にも運用機関にも好都合な仕組みになっている。社債市場が政策的に支えられていて、社債が発行しやすい状況が続くと、今後株価のバブルが大きく膨らむ可能性がある。これを株価の引き上げに使おうとする企業経営者の行動が、「コロナバブル+社債バブル」の形となり得るからだ。潜在的に進む社債バブルの動向は、今後生じるかもしれない株価バブルのスケールに大きな影響を与える要因になるだろう。

 また、コロナ後の企業のバランスシートがどのような状態になっているかが、バブル崩壊時の株価の下落率に大きく影響するだろう。