本稿では第3次補正予算案編成の前提となった、12月8日に閣議決定された「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」(以下「総合経済対策」)を下地としつつ、経済に関する部分を中心に、具体的な措置について金額も含め見ていきたいと思う(なお、大元となった自民党提言のお粗末さについては、拙稿『お粗末すぎる自民党「新たな経済対策への提言」、コロナ禍の影響を無視』を参照されたい)。

「ショックドクトリンを進めます」と
言っているに等しい

 まず、現状認識。「経済対策の考え方」には総合経済対策の肝が次のように凝縮し記載されている。

『「攻め」とは、今回のコロナ危機を契機に浮き彫りとなった課題である国・地方のデジタル化の著しい遅れや、東京一極集中、特定国に依存したサプライチェーンといった我が国の脆弱性に対処することである。そして、環境と経済の好循環を生み出すグリーン社会の実現、経済の基盤を支える中小・小規模事業者の事業再構築支援を通じた体質強化と業種・職種を越えた労働の円滑な移動、非連続なイノベーションを生み出す環境の強化など、民間投資を大胆に呼び込みながら、生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促し、所得の持続的な拡大と成長力強化につながる施策に資源を集中投下することである。』

 これは、過去20年以上にわたって行ってきたインフレ対策にしかならない構造改革という間違いをまだまだ繰り返すことになる。それどころか今回の「コロナ禍」という惨事に便乗して「ショックドクトリンを進めます」と言っているに等しい。

 今なすべきは、さまざまな影響を受けている全産業を守ること、国民の生活を下支えすること、そしてデフレ下で需要が決定的に不足しているところに有効な需要を創出すること、そのための手厚い公共投資である(民間投資はその先である)。

 さて、具体的に取り組む施策に関し、(1)新型コロナウイルス感染症の拡大防止策、(2)ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現、および(3)防災・減災、国土強靱化の推進の3本の柱が掲げられている。これは当初の経済対策提言と同じであるが、中身がより具体的になっている。本稿では(1)および(2)を中心に見ていく。

 1本目の柱である「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」については、多くが厚生労働省関係で措置されているが、内閣府関係の次の点については大いに懸念がある。

「知見に基づく感染防止対策の徹底」として、地方公共団体が酒類を提供する飲食店等に営業時間短縮要請等を行い、協力金の支払等を行う場合の柔軟な対応を可能とするため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充を行うこととし、11月24日および12月15日に発出された事務連絡『新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における「協力要請推進枠」の運用拡大について』により既に措置された。