「中小・小規模事業者の経営転換や企業の事業再構築等の支援」として、「地域の経済を支える基盤である中小・小規模事業者に対して、淘汰を目的とするものではないことは当然として、ポストコロナに向けた業態転換や新たな分野への展開等の経営転換を強力に後押しすること等を通じて、生産性の向上、賃金の継続的な上昇につなげる。」とある。

業態転換を事実上無理やり迫り
事業再編の名の下に潰そうとしている

 具体的問題点については、拙稿『菅内閣は「中小企業つぶし」という日本経済つぶしを押し進めている』を参照されたいが、「淘汰を目的とするものではない」としているものの、要は業態転換を事実上無理やり迫り、それができない企業を事業再編の名の下に潰そうとしていることは明らかである。

 具体的措置として、経済産業省関係で「ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業の新分野展開や業態転換等の事業再構築を支援する。特に中堅企業に成⻑する中小企業については補助上限を1億円に引き上げて支援を重点化する。」として、中小企業等事業再構築促進事業に1兆1485億円もの予算が措置されている。需要が収縮し、かつ新型コロナ不況で多くの事業者が困窮している中で、新分野展開や業態転換を迫り、生産性の向上や賃金の上昇を迫るなど、正気の沙汰とは思えない。

 同じく経済産業省関係で、「サプライチェーンの強靭化と国際競争力の向上」として、「サプライチェーン強靱化・多元化」の支援措置に2225億円計上されている。新型コロナショックにより世界的なモノの流れが止まったり鈍くなったりしており、本来はサプライチェーン、生産拠点を国内回帰させなければいけないのであるが、まだグローバル化を信じる周回遅れの発想が根強いようで、国内における増産等に寄与する設備投資も含まれているものの、海外拠点の多元化に資する設備投資も対象となっている。第2次世界大恐慌が来るとも来たとも言われているところ、まずは生産拠点の国内回帰のみを対象とした措置とすべきであるはずだ。

「地域・社会・雇用における民需主導の好循環の実現」と銘打ち、「地方への人の流れの促進など活力ある地方創り」と言いながら、「国内観光を中心とした旅行需要の回復」を考えているようで、国土交通省関係で「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業」(49億9700万円)等が措置されている。

 新型コロナの感染の今後の状況も不透明である中で外国人観光客の受け入れなどもってのほかであり、非現実的である。

 当面、世界的な人の動きはほとんどないか鈍化したままであろう。そうなれば、やはり国民の国内移動の利便性を高めることが必要であり、そのための公共投資を今から進めるべきであるし、それは困窮する交通事業者の救済にもつながる。

 また、「民族共生象徴空間(ウポポイ)の誘客等の取組の推進」(19億8200万円)など、歴史的経緯も考証も曖昧な、単に「アイヌを観光コンテンツにする」という結論ありきの事項であり、問題外だ。