まず、中央銀行は金利を下げる。市中銀行の金利も下がる。金利が下がるとお金が借りやすくなりモノが買いやすくなる。個人なら住宅に、企業なら設備投資に向かう。そうすると、経済の血であるお金は流れ始める。株式相場は金利が下がると株高に反応する。まだ景気は悪くても今後に期待して安いうちに株式が買われるのだ。金融相場だ。

 アベノミクスが始まった2012年は典型的な金融相場であった。リーマンショック以降は、利下げだけではなく、中央銀行が債券(主に国債)を買ってカネを市場に供給する方法も採られた。いわゆるお金のバラまきである。

 お金が回り始めると、消費が進み企業業績は上がる。業績相場だ。利益が増えるので、株価はさらに上がる。しかし、あまり上がりすぎると景気が過熱する。バブル経済にもなろう

 そうなる前に、中央銀行は過熱を抑えるため金利を引き上げる。金融引き締めである。金利が高くなると、株式よりも債券の方が魅力が増して、株式は有利な金融商品ではなくなる。そうすると、資金は株式市場から出てゆき、市場が下落を始める。逆金融相場だ。

 どんどん金利が高くなると、お金を借りる人がいなくなり、流れが止まる。企業も投資を控える。消費は停滞し、信用不安も起こり始め、企業業績も悪化する。逆業績相場だ。

今の相場は
どの位置にいるのか

 今の相場は、どの位置にいるだろう。

 2018年から2019年にかけて、日本企業の業績はピークを迎えた。その後、2019年秋頃には、企業業績は下降に向かう兆候もあったが、株価が2万4000円台の高みを付けたのが、2020年初頭であった。業績相場の終焉を迎える時期であった。そんな時に新型コロナウィルスの問題が起きた。3月には株価は1万6000円台まで下落、世界中の相場が恐怖に駆られた。感染を食い止めるため世界中の大都市圏を中心にロックダウンも断行され、経済は一気にしぼんだ。

 これに対処するため、日欧米の中央銀行は金融緩和を協調して行った。金利はマイナス金利にまで踏み込んで行われた。日欧は、もともと金利が低かったのでお金をさらにバラまくために国債購入以外に手段を編み出した。

 例えば市中銀行への給付金(ECB)、株式投資(日銀)、米国も 不良債権買取(米FRB)をした。中央銀行は市場を通してバラまいているが、日欧米では、政府も積極的に給付金を設定、政府が個人の懐に直接カネをバラまいたのは前代未聞であった。

 こうした努力もあって、今回の新型コロナショックにおいては、経済の問題が金融システムの崩壊と分離され、リーマンショック時のような金融不安は起こらなかった。

 結果として、業績相場のあとに、再び金融相場が(しかも力を倍増させて)やってきた格好になっている。半端ではないのでひとまず、「ハイパー金融相場」とでも名づけておこう。

◎2020年の相場のイメージ

202年の相場のイメージ著者作成