市場の公平性と透明性を大きく傷つける企業

米国株式市場では少しでもコーポレート・ガバナンスに疑いがあると、たちまち他の銘柄と入れ替えられてしまい、大勢の投資家の信頼を失います。

そもそも米国株式市場に比べると、日本では上場要件が甘く、上場企業のコーポレート・ガバナンスも着実に機能しているとはいい難い部分もあります。

コーポレート・ガバナンスに欠陥があり、ニュースになるような不祥事を引き起こした企業が、そのまま残っていることも少なくありません。

たとえば、大手電気メーカーの東芝(東証二部・6502)は、2015年に利益を水増しした粉飾決算が発覚しました。

水増しした利益は巨額で、7年間で2248億円。

東証は、東芝を“取扱注意”の「特設注意市場銘柄」に指定しましたが、上場廃止にはしませんでした。

その後、2017年には債務超過により東証一部から東証二部へ降格。

東芝はコーポレート・ガバナンスを強化したはずですが、2020年には子会社で再び不適切会計が発覚し、東証一部への昇格に暗雲が立ちこめています。

こんなことでは市場の公平性と透明性を大きく傷つけてしまいます。