交渉上手Photo:PIXTA

交渉時に使うテクニックとして非常に有効なのが、「黙る」ことだ。新著『交渉上手』を上梓した弁護士の嵩原安三郎氏が、相手を不安にさせて交渉を有利に導く「沈黙」の使い方と、相手に「交渉の期限」を意識させて焦らせる方法を教授する。

「沈黙」でプレッシャーをかける

 交渉で有利なのは、必ずしも「話し上手」ではない。

 交渉相手が弁の立つ人だったら、「そんなのウソだ!」と泣きたくなるかもしれません。

「反論しなくては」と思えば思うほど、気持ちばかりが焦って冷静に考えられなくなる。そうこうしているうちに、すっかり相手ペースに……というのは何としても避けたいところですね。

 そんなときは、「黙る」のが一番です。

「言い負かされようとしているのに、黙ったら余計に不利では?」と思うかもしれませんが、沈黙には、相手に心理的プレッシャーを与えるという効能がある。それを利用しようというわけです。

「あれ? 黙りこくっているけど、いったい何を考えてるんだろう?」「ひょっとして何か隠し玉があるのか?」 ――といった不安に相手を陥らせます。それが「起死回生」のチャンスにつながることも多いのです。

 また、言葉をまくし立てる相手には、すぐに反論せずにじっと聞いていると、「意外と大したことを言っていない」ことがわかる場合も少なくありません。

 こうした沈黙の力を使うには、「黙り方」がポイントです。