厳しいアパレル事業…
投資家の間で有名な超低位株の企業が10位

 4位の農業総合研究所(和歌山県和歌山市)は、主に農家の直売所事業(全国の生産者および農産物直売所と提携し、都市部で委託販売などを行う)を手がける企業で、平均年収は365.3万円だった。2007年に設立されたベンチャー企業で、日本全国に事業を拡大中のため、人員を増やし、売上高も上昇傾向にある。

 5位の小売業、オンリー(京都府京都市)はスーツを中心とした紳士服・婦人服の製造小売り事業を展開していて、平均年収は372.0万円だった。2021年1月現在、北海道から九州まで全国60店舗を構えている。ただテレワークの普及によって、スーツの着用人口は減少している上に、大手アパレルの実店舗も閉店が相次いでいて、業界全体の雲行きは怪しい。

 また、6位はゲームソフト開発を行うトーセ(京都府京都市)で平均年収385.5万円、7位は繊維製品のフジコー(兵庫県伊丹市)で同395.2万円、8位は技術者派遣事業などを行うエスユーエス(京都府京都市)で同396.8万円、9位は鉄鋼事業のイボキン(兵庫県たつの市)で同400.0万円だった。

 10位はベビー・子ども服メーカーのキムラタン(兵庫県神戸市)で、平均年収は400.2万円だった。投資家の間では、株価が20~30円を記録することの多い超低位株の企業としても知られている。アパレル業界は前述した通り、コロナ禍で苦境に立たされていて、同社も例に漏れず厳しい。

 ただ、全国に展開するショップの多くが総合スーパーの売り場にあるため、緊急事態宣言で休業となった店舗は少なかった。今の苦境を同社がどう乗り切るのか、投資家たちも注目している。

 今回、平均年収が450万円未満の企業は16社あった。最後に、この16社について業種別の傾向を確認しておこう。

 業種別に集計すると、最も多かったのは小売業で4社だった。また、「繊維製品」で3社、「サービス」「卸売」でそれぞれ2社となった。「その他製品」「化学」「金属製品」「情報・通信」「鉄鋼」はそれぞれ1社だった。

 小売業では、前述した2位の山陽百貨店と5位のオンリーのほか、13位にスタジオアタオ(兵庫県神戸市、平均年収は409.7万円)、14位にアクサス(HD、兵庫県神戸市、同410.4万円)がランクインしている。

 スタジオアタオはオリジナルバッグ・財布などの製造販売を行っている。『ATAO』というオリジナルブランドの商品を展開していて、丸井や三越伊勢丹など主要百貨店と取引しているので、商品を目にしたこともある女性は多いかもしれない。また、アクサスは化粧品、生活雑貨、酒類など多様なジャンルの小売業などを展開している。

 一方、都道府県別に見ると、平均年収が450万円未満の企業は兵庫県が9社と最も多く、京都府が6社で、和歌山県は1社だった。

(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)