当社は、「前年同月より自部署の総残業時間が減っていて、それでも業績が下がらない」場合、賞与を増やします。
残業削減によって増えた利益を会社に貯め込むのではなく、社員に還元する。
そして、残業削減の取り組みの一環として賃金テーブルを改定します。
そうすれば、残業は減っても可処分所得は減らないので、社員は辞めません。
当社が残業を減らしながら増収を達成できたのも、社員が辞めないのも、「残業時間の減少を人事評価に連動させ、浮いたお金を社員に還元している」からです。
私が指導している、サポート会員のある社長の告白を聞いてみましょう。
<ある社長の告白>
小山社長の指導を受けるまで、当社には人事評価のしくみがありませんでした。
当社はエステティックサロンを経営していますが、店舗ごとに数字がハッキリ出るので、現場にいる社員の評価はしやすかった。
でも、間接部門は数字が出にくいので、どう評価していいのかわかりませんでした。
しかし現在では、人事評価のしくみが整い、公平な評価ができるようになりました。
給与制度と人事制度を明確にすると、社員満足度が高まります。
社長の好き嫌いで人事評価を決めてしまうと、社員はやる気をなくして辞めてしまいます。
当社は、昇給・昇進・賞与についても評価基準を経営計画書に明記し、運用しています。
社員は「どうすれば昇給するか」「どうすれば賞与が増えるか」がわかっているので不満が出ません。
当社の人事評価制度は、武蔵野同様、「頑張った社員と頑張らなかった社員の差をつけるしくみ」です。
もちろん、人生の目的はお金を稼ぐことではありません。
お金より大事なものはたくさんあります。
けれど、余裕を持って生活ができ、将来の不安がなくなる年収を稼げるようになるまで、お金は社員にとって最大の関心事です。
「ほしいものがあるから、頑張って仕事をしてお金を貯める」「給料がたくさんほしいから会社の方針を守る」という動機は、むしろ、とても健全だと思っています。