実際、英国には15インチゲージの鉄道が2路線運行されており、それらを原形に敷設された鉄道路線である。遊園地の遊戯施設とは規模が違い、まさに本物の鉄道のようである。と、熱弁しているうちに、電車は大仁(おおひと)に到着する。

 ここは大仁温泉に近く、旅客の乗降も多い駅。またブランド牛である伊豆牛の唯一の精肉販売をしている「ひらい精肉店」が、駅から徒歩7分ほどのところにある。伊豆牛は柔らかく、とても美味しい。私も大好きで、よくお家しゃぶしゃぶで食している。

 列車は田京を過ぎ、伊豆長岡に到着した。ここも大きな温泉地だ。当然、温泉客も多いが、実は世界遺産の韮山反射炉には、ここからバスで行くのだ。世界遺産としては地味な存在だが、約160年前に、日本人はこうして溶鋼し大砲などの武器を製造していたと思うと、感慨深い。一度は行くべき場所であろう。

伊豆箱根鉄道の本社がある大場
意外なほど立派な車両基地

 さて、伊豆長岡では大場までの190円のきっぷを買い、再び列車に乗った。

 今度は西武鉄道からの譲渡車だ。伊豆箱根鉄道は西武グループの鉄道会社なので、いつの時代も必ず西武鉄道からの譲渡車が存在して来た。もちろん、現在は自社発注のオリジナル車が大勢を占めるが、この1300系は元西武101系電車である。新宿や池袋でよく見かけた長編成を連ねていた電車が、ここでは3両編成で走っている、その対比が面白い。

 さて、電車は伊豆長岡を出ると、三島田町の手前まで1箇所のカーブを除き、ほぼ一直線で走る。しかも、修善寺から三島へはなだらかな下り勾配なので、途中3駅に止まりながらも、5.6㎞を10分ほどで駆け抜けた。

 大場は、伊豆箱根鉄道の本社があり、さらに敷地内には立派な車両基地がある。実は伊豆箱根鉄道は、もう1つ小田原と大雄山を結ぶ大雄山線も有しており、大雄山線の車両の大規模検査は、この大場の車両基地で行っている。つまり、小田原駅から(返却時は、相模貨物駅経由)三島駅まで、JR貨物による甲種輸送により電車が送られて来て、当地で検査を実施しているのだ。それほど大きく立派な施設である。