AI×水循環システムが
世界と日本の水問題を解消させる

 WOTA株式会社は、2014年に東京大学大学院の学生が起業したベンチャー企業である。創設時から一貫して水に関する社会課題を解決するための機器やシステムの開発を行っている。

「普段当たり前に使っている水ですが、2050年には世界の人口の40%が、何らかの水問題を抱えるようになると予測されています。水不足だけでなく、水はあっても汚染されて使えなかったり、水インフラが整っていないせいで不衛生な環境に置かれ、感染症がまん延 していく。こんな未来があり得るのです。これらを解消するには、今そこにある水を循環させて使うのが、最も現実的な解決法だと考えています」

 海外だけでなく、日本の水道も大きな問題を抱えている。年間の上下水道維持コストは10兆円。その内、水道料金で賄えるのは6兆円、毎年4兆円の赤字が発生している状態だといわれている。しかも全国の水道管は老朽化が進んでおり、それを取り替えるとなると、約160兆円もの莫大なコストがかかるという試算もある。日本の水インフラも、実は危機が迫りつつある状態なのだ。

「日本の水問題への解決策として、2つの構想を持っています。まずは、今のような大規模な水処理場ではなく、分散型の水循環システムに変換していく方法です。分散型というのは、家庭やオフィスで雨水などをため、それを最新の装置で循環させて使用することで、この方法ならば、大規模処理場から遠く離れた施設・住宅へ水道管を接続することが不要になります。二つ目は、現在の水処理場の運営コストを下げることです。技術者が行っている作業をセンサーにより自動化すれば、コストを大幅に下げることができます。このようにさまざまな方法でスピーディーに水問題を解決するために尽力しています」

 21世紀最大の問題といわれる「水」。今の状態で使用していけば、近い将来、世界人口に対して水が不足してしまうことが必至だ。私たちも生活のスタイルを見直し、水との付き合い方について改めて考えることが、水問題解決への第一歩になるのではないだろうか。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))