あなたの使命は何ですか?
川原:たしか、岸田さんが糸井重里さんとご縁ができたのもTwitterがきっかけでしたよね。
岸田:はい。あのときは“速さ”で印象づけました。初めて糸井さんが私の記事をリツイートしてくれたとき、それに気づいて1時間以内に4000字くらいのメールを糸井さんに送ったんです。私、タイピングの速さは強みだったので。
そしたらすぐにメールが返ってきて「よくわからないけれど、おもしろそうだから会いましょう」と。全文は読まれていないと思うけれど、きっとインパクトが強かったから。
川原:リツイートして1時間以内で記憶も鮮明なうちだったから効果的だったんでしょう。
岸田:だから、人とつながるために自分が発揮できる強みってなんだろう、と一度考えてみるのはいいかもしれません。すごく有名な人は、みなさん忙しくて時間の取り合いなので、いかに振り向いてもらえるかが大事です。
川原:大賛成。岸田さんの場合は“速さ”だったけれど、それは人によって違っていい。僕の場合の突破口は、“顔のおもしろさ”かな。
2014年からアメリカで仕事をするようになって、英語力ゼロの状態からコミュニケーションしないといけなくて苦労していたんです。その時、僕が何をしていたかというと、おもしろい顔をして現場を和ませること。本当なんですよ、これ(笑)。
ムードメーカーというポジションを徐々に取っていって、「TAKUMIがいれば現場の空気がよくなる」と用いられるようになって、役割が増えていったんです。
岸田:それが苦ではないんですよね、川原さんにとっては。
川原:全然。大好き。
岸田:そこが重要ですよね。最近、『世界は贈与でできている』の著者の近内悠太さんとお話しして教えていただいたのが、「人は使命を感じたときに一番幸せを感じる。使命とは、得意なこととやりたいことと、人から求められていることの掛け算だ」と。
たしかに、最後の視点が抜けてしまってうまくいかないケースは多いかもしれないなと思いました。例えば、「旅のインフルエンサー」ってたくさんいるから、ただ単に旅先の情報をアップするだけじゃ、大きな価値にはなりません。
でも、「自分が求められている場所はどこ?」という視点で探せば可能性は生まれてきます。例えば福祉関係の業界に対して、「バリアフリー視点で映える旅の提案をしませんか」と言ってみると、多分すごく重宝されるはずです。バリアフリーの旅の案内って、みんな医療関係のパンフレットみたいなものしかないから。