自分を認めてくれる人とどう出会うか
岸田:自分を承認してくれる人にどこで出会えるのかってよく聞かれます。
川原:それはやっぱり、岸田さんが必死に動いていたからでしょう。
岸田:7歳の時からわけわからんままパソコン触って、ネットの世界で書き続けていたから、という流れはたしかにあります。今ではネットで書く人なんてわんさといるけれど、私は20年以上前からずっとやり続けていたので。それは会えるはずだわ、と思います。
川原:ポッと出てきたんじゃなくて、ずっと駆けずり回っていたんですよね、実際は。
岸田:川原さんの本(『Be Yourself』)の中で、「好きな著者にはメンションつけて感想をつぶやきなさい」と書かれてあったことも共感しました。
私もつい最近、読書感想文を募集するフェスを開催したんです。本の著者ってだいたいはネットで書かれる感想を追っているはずだから、もしも近づきたいのならどんどん発信したほうがいいと思う。それなのに、なぜかみんな、あんまりやらないんですよ。
川原:もったいないですよね。今の時代、誰かに見そめられるのって、本当に簡単だと思う。ちょっとの差で変われる。だから僕も、「手を挙げるだけで突出できる」と本に書いたんです。少なくとも今の日本においては、大多数の人が控えめで行動していないから、手を挙げた瞬間に目立てる。
岸田:著者にメンションつけて何も反応がないとしたら、理由は2パターン。そもそもネットを見るタイプの人ではなかったか、書いた感想が自分の承認欲求を満たすためだけのものになっているか。
川原:鋭い。ありがちですね。ラブレターを書いているはずなのに、愛の矢印の方向が自分になっちゃっている。
岸田:「私を認めてください」という承認欲求に対しては、正直、どう返していいか分からない著者は多いと思うんです。純粋に「おもしろかった。だから広めたい。おすそ分けしたい」という気持ちでリツイートやシェアしてくれている人に対しては、心からありがとうという気持ちが湧いてきますよね。