英単語はそこそこ知っている。文法もそれなりに分かる。にもかかわらず、英語が聞こえない、通じない、会話が続かない日本人が多いのはなぜでしょうか? 国際ヘッドハンティング会社のアジア支社長を務め、現在、シンガポール国立大学で世界の留学生たちに英語コミュニケーション術を教える著者は、その理由を「日本人の英語の勉強法が間違っているから」だと言います。香港生まれで、東京外国語大学の日本語学科を首席で卒業した著者は、「日本語の言語学的特性」を熟知した上で、日本人が最速で英語を身に付ける方法を考案し、これまでに多くの日本人をペラペラにしてきました。そのメソッドを初公開した話題の書が「7時間で英語が突然ハッキリ聞こえて会話が続く本」です。本書の中から、カタカナ英語と中学英語だけで、驚くほど会話がはずむようになるコツをお伝えしていきます。
日本人は最初から英語を2000単語以上知っている!
日本人はカタカナ語が好きですよね。実際、若い人たちやビジネスシーンでの会話などを聞いているとカタカナ語がかなりの割合で飛び交っていますし、新聞や雑誌を読んでいてもたくさんのカタカナ語に出会います。
「日本語の日常語として、いったいどのくらいのカタカナ語があるんだろう?」。
そう思った私は、中学生用の和英辞典をまるごと1冊、1000ページ近くめくって、英語のカタカナ語を数えてみました。「テレビ」「パソコン」のような和製英語ではありません。英語をそのままカタカナにした言葉、たとえば「グラス」「インテリア」「コンピュータ」などを拾いました。つまり、英語そのままのつづりでカタカナになったもの、そして元の意味をキープしている言葉だけを数え上げてみたわけです。
その結果は、1862語! 辞書には載っていないビジネス用語などを加えれば、2000語程度のカタカナ英語を日本人は知っているということになります。
英米の5歳くらいの子どもたちの語彙数は500~1000程度だと言われています。彼らはそれだけの数の言葉で自分の意思を表し、他人の話を理解しながら、問題なく生活できていますよね。文法の知識もまだないし、世間のこともよく分かってないのに、不自由なくコミュニケーションを楽しんでいます。
カタカナ語と中学の文法だけでコミュニケーションはできる!
日本人の大人はカタカナ語ではあるけれど2000程度の英単語を知っていて、しかも学生時代に英語の文法も勉強しています(中学1年生レベルを覚えていれば大丈夫!)。しかも、相手の気持ちを理解する力だって子どもとは段違いですよね。
だから、このまま、外国に放り込まれたって大丈夫。カタカナ英語と中学の文法だけで、コミュニケーションできます。
まずは、すでにある知識を活用して英語を話すことに、慣れていきましょう。
皆さんにとって、英語は「勉強するもの」ではなく「使いこなすもの」であるということも覚えておいてください。英語は「学ぶ」のが目的ではなく、「使える」ようにすることが目的です。
ぜひ、本書を、英語の「テキスト」ではなく「ユーザー・マニュアル」として使っていただけると幸いです。