『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』で取り上げたテーマは「組織文化」。2019年に開催されたラグビーワールドカップで、日本代表は初めてベスト8に入りました。この輝かしい成果を支えた要因の一つが、それまで長く日本ラグビー界を巣くっていた“負け犬根性”からの脱却にありました。どういうことか解説しましょう。

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 東京都調布市、2019年9月20日19時45分。

 東京スタジアムのスタンドは、色とりどりのユニフォームを身にまとった観衆で埋め尽くされていました。約4万5000人を超える観衆は、日本初、アジアでも初めての開催となるラグビーワールドカップ(W杯)の開幕戦の証人たちです。

 彼らの瞳は、これから始まる歴史的な瞬間を余すところなく焼きつけようと、キラキラと輝いていました。視線の先には、開幕戦を戦うホスト国の日本と対戦相手のロシア、合わせて30人のラガーメンが試合開始を告げるホイッスルの音を待っています。

 さあ、開幕戦の開始です。

 2019年に開催された第9回ラグビーW杯。アジアで初の開催国となった日本には、ホスト国としての大きな期待が寄せられていました。

 日本代表が予選プールを勝ち上がり、決勝トーナメントに進出すること。

 日本代表は過去8回、すべてのW杯で予選敗退しています。しかし今回はホスト国として決勝トーナメントに勝ち進まなくてはなりませんでした。

 結果的に、有形無形のプレッシャーをはね返して、日本代表は決勝トーナメントへ進出し、32年間手の届かなかったベスト8に名乗りを上げました。

 しかし、ここに至る道のりは決して順風満帆ではありませんでした。

 日本ラグビー界に長らく巣くっていた“負け犬根性”。これを根底からくつがえし、意識と行動を変革して、貪欲に勝利を追求する「ウィニングカルチャー(常勝の組織文化)」を構築したこと。その果実として、ベスト8入りという快挙が実現したのです。

 『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』で私がみなさんにお伝えするのは、ラグビー日本代表の物語ではありません。

 日本のラグビー界に長らく巣くっていた“負け犬根性”からいかに脱却できたのか。

 それは、どんなチームや組織、企業でも根底に横たわる組織文化を刷新すれば、より強く生まれ変われることの象徴です。

 一つの目標を目指す集団で、いかに空気を変えていくのか。組織文化を刷新し、ウィニングカルチャーを構築するための思考法と実践法をお伝えするのが、『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』の役割です。

 組織の人数や規模は関係ありません。企業で働くビジネスパーソンから、部活動や趣味の活動などで仲間を率いるリーダー、さらには友達同士や家族といったあなたが属するすべてのコミュニティを、より良く、強く、そして魅力的に変える組織文化の変革方法をじっくりとお伝えします。