ECサイトの売り上げ向上を目指して
副業メンバーのプロジェクトが発足
イベント後、希望する参加者には個別で企業との面接ができる機会が設けられていた。中浦社長は「そう簡単に応募してはもらえないだろう」と考えていたが、ふたを開けてみれば、デジタルマーケティングやECショップ開発の経験を持つ人など、13名の参加者から面談の申し込みがあったという。
最初は「依頼するとしても1~2人ぐらい」を想定していたと中浦社長は振り返る。しかし、リクルートキャリアや石川県の担当者に相談した結果、「副業では少ない人数に絞ると、逆に1人を長い時間拘束してしまうことになるので、関わるのが難しいと思われてしまう」とアドバイスを受け、予算内で多くの人に参加してもらう形に変更。最終的には5名のメンバーが副業人材として中浦屋のプロジェクトに参画することになった。
具体的な目標がないとプロジェクトが進めにくいだろうということで、中浦社長が設定したゴールは「中浦屋のECサイトで月額150万円以上の売り上げを、6カ月以内に達成すること」。13名の候補者の中から、ECサイトの設計や集客、SNS運営、ウェブサイト連携、商品説明のライティングなど、何が依頼できるか具体的にイメージできる5名が選ばれ、その中でコンサルティング経験などがあってメンバーの取りまとめができる人を中心にチームとした。
プロジェクトは11月初旬に本格的にスタートし、基本的にはオンラインで進められている。中浦屋では以前から各店舗のやり取りにMicrosoft Teamsを利用していたので、情報共有にはTeamsをそのまま活用。初回のミーティングでは、まずメンバーら自身でチーム名を決めることになり、「ファイブフォース」という名が付けられた。
また、プロジェクトは一時的なメンバーで構成されているが、今後プロジェクトからつながる取り組みを恒久的に進める部署の名前もチームで決めることになった。「老舗だけど若い人が活躍できるイメージが欲しい」「デジタルマーケティングだけでなく、将来を感じるものにしたい」との思いから、部署名は「デジマ次世代創造室」と名付けられた。
「鎖国の時代にも外へ開かれていた長崎の出島も連想させる名称で、ポジティブなイメージのいい名前になったと思う」(中浦社長)