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6カ月で今回のプロジェクトはいったん終わりとなり、目標や期間などを変えて組み直しとなるため、第1世代のファイブフォースからも卒業するメンバーが出るだろうと中浦社長は話す。
「今はチームが目標を立てられる。業績や状況にもよるので今は何とも言えないが、続けてもらえると良いと思う」(中浦社長)
次のメンバーについて、実は中浦社長の中で既に心当たりがある。前回インターン希望者として面接を行った13名のうち、ファイブフォースでは採用されなかった人たちに「中浦屋顧問(コモン)ズ」として「ご縁をつなぎませんか」と声をかけており、うち4名とは現在もつながりがあるのだそうだ。
コモンズメンバーからは、現在のプロジェクトで手がけるECサイトなどへも意見をもらっており、第2世代の新しいミッションにも副業人材の取り組みをつなげていけないか、検討しているという。
副業人材は報酬よりも
「何が経験できるか」を重視
リクルートキャリアで、ふるさと副業を推進する社会人インターンシップサービス「サンカク」の責任者を務める古賀敏幹氏は、都市部のビジネスパーソンが地方企業を副業で活性化させる動きについて、「この数年、移住ではなく一時的な観光でもない、地域の活動にある程度深く関わる『関係人口』や『リモート×副業』が注目を集めていること」「都市部の人材と地域の企業を結び付けようという事業が、総務省などの中央官庁・地方自治体ともに増えていること」が背景にあると語る。
副業人材が増えている動機については、冒頭で挙げた政府の副業・兼業普及促進と企業の参画に加えて、「自分の経験のため、能力発揮のため」「人生100年時代、就労に生かせるスキルの獲得のため」といった、ひとつの会社だけでなく壁を越えて自らの市場価値を上げたいという意識の高まりも大きいと古賀氏は分析する。
「本業であれば給与・報酬は重要だが、本業があることで生活基盤はある程度整っている。そこで報酬は低くてもいいので、チャレンジの機会や次のキャリアへのプラス、仕事の面白さなどが副業には求められている。そこでは『何が経験できるか』が重視されている」(古賀氏)
さらに古賀氏が「ふるさと副業、社会人の地方での副業による活躍がもう一歩浸透するには、受け入れ企業の理解も必要」と話す。
「地方企業では特に、副業に対するイメージが湧かないところが多い。100%コミットできない人が来て役に立つかどうか、リモートワークでもちゃんと働いてくれるのかなどといった不安が大きいのだろう。ただし、中浦屋のケースのように『受け入れてみたらすごくいい』と言われることがほとんど。受け入れのメリットを地方の経営者にしっかり、広く知ってもらうことが大切だ」(古賀氏)