ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ソーシャルディスラプト最前線

スタートアップ業界の重鎮マイケル・アーリントン インタビュー「日本のスタートアップよ。革命を起こしに私のところに来ないか?」

岡本彰彦 [Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]
【第2回】 2012年10月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
2
nextpage

アーリントン また我々はアンドロイド携帯やiPhoneに常に接続して使用するようなハードウェアの革新もここアメリカで目にしてきている。

 しかし、90年代のアメリカでは毎年のようにデスクトップコンピュータが大幅に進化し続けたものだが、今はそうでもない。もしあのころのような大きな進化がハードウェアの分野に起これば、それこそバーチャルリアリティのような本当の意味での革新が見られるだろうね。でもまだ私たちはそこには至っていない。

 Startup Battlefieldの最終選考に残った7社

  • YourMechanic」…個人が自宅までクルマの修理工を呼べるサービス。修理工には、レビューなどが書き込める。
  • Gyft」…ギフトカード交換サービス。モバイルだけでサービスは完結する。
  • Expect Labsは「MindMeld」と呼ばれる、リアルタイムの言語解析プラットフォームをデモ。
  • Saya」は通常のモバイルメッセージサービス(MMS)にプラスして、場所をベースにしたMMSを展開。フィーチャフォンにインスタントメッセージングとSMS機能を提供し、アフリカなどの新興市場をねらう。
  • Prior Knowledgeは、ディベロッパーに向けてFacebookやLinkedinなどWEB上のデータを高速に統合して、開発環境として提供してくれる「Veritable」というサービスを持ち込んだ
  • Lit Motorsは「C-1」というジャイロスコープで絶対に倒れないバイク(2輪自動車)を開発。
  • Zumperは、賃貸物件の分野において、貸主のデータを利用して効率的に借り手を見つけるサービス。

 最終的には「YourMechanic」が優勝、Lit Motorsの「C-1」が準優勝となっている。

岡本 今回、プレゼンを勝ち抜いて優勝したスタートアップは、YourMechanicだった。ウェブサイトやモバイルアプリから車の故障状況を伝えると修理工が来てくれる、というサービスだ。これはあなたの言う今年のトレンドのひとつ、ソーシャルグラフを活用したサービスだが、あなたはYourMechanicのどういったところを評価したのか。

Startup Battlefieldで優勝した「YourMechanic」
修理工を、その評判などで自由に選択できることで、自動車修理マーケットのディスラプトを目論む

アーリントン アメリカでは車を修理に出すと、交換する必要のないパーツを交換されたり、交換していないパーツを交換したと言い張られたりするリスクがある。だから一般的に修理工はあまり信用されていない。そこにYourMechanicのようなサービスが介入する余地がある。また車社会のアメリカでは、車の修理は年間数百億ドルという巨大な市場でもある。

previous page
2
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

岡本彰彦
[Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]

株式会社リクルートの投資会社であるリクルートストラテジックパートナーズの代表取締役として、コーポレートベンチャーキャピタルファンドを活用し、日本のみならず、北米、東南アジアをはじめとしたグローバルな投資·事業開発活動を推進する。現職就任以前は、銀行、ベンチャーキャピタル、証券会社などでストラクチャード·ファイナンスや新事業開発に従事した後、2007年にリクルートに入社し、主に同社住宅カンパニーにおける事業開発の責任者とブランドマネジャーを担当。

ソーシャルディスラプト最前線

Facebook、Twitterといった、いわゆる「ソーシャルネットワーク」が日々の生活にかかせないもの、あえて言えば"必須のインフラ"となったことで「ビジネス」の変化が急激に進んでいる。
電力インフラの整備が、モータリゼーションの加速が、パーソナルコンピューターの普及が、かつてビジネスの変化を決定づけたように、いま現在、「ソーシャル」はビジネスにどのような変化をもたらそうとしているのか?
実際にソーシャルを使ったビジネスで急激に成長するサービスを紹介しながら、その変化の兆しを探っていく。

「ソーシャルディスラプト最前線」

⇒バックナンバー一覧