音量の問題ではない

音と学習効果についても、かなり研究成果が蓄積されてきました。

音の大きさや、リズム、音の出てくる場所、反響など、様々な角度から研究が進んできています(以下、”Auditory Distraction from Low-Intensity Noise:A Review of the Consequences for Learningand Workplace Environments” C. PHILIP BEAMANを参照)。

一つ注目すべきことは、音による学習効果の低下に関して、音量による影響は小さいということです。

勉強をしているときに、周りの雑音が気になって集中できない場合、耳栓をしてもあまり効果がなく、イライラしたことはないでしょうか。

これは、耳栓をしても音が完全には消えず、イライラする雑音の音量を小さくしているにすぎないからです。

音量より音の変化が、学習効果の低下に関係していることがわかっています。一定の音よりも、急激に変化する音は学習効果を下げやすいのです。

いったん止まったけれども、また突然鳴り響く雑音のほうがイライラするのはそのためです。

耳栓で音量を下げることができない場合には、他に試してみることとして、ホワイトノイザーなどを使うこと。「ザー」という一定の「ホワイトノイズ」で、周囲の突発的な雑音を他の音と重ね合わせる道具です。赤ちゃんが周りの音で起きてしまわないように使ったりしますが、勉強中に集中するのにも効果大です。

また、広い環境で勉強できるなら、それもいいでしょう。広い場所だと音が反響しやすく、多数の雑音の音源があるので、互いに音をかき消し合ってくれます。

年齢が小さい子のほうが音の影響を受けやすいので、幼児年齢にも注意する必要があるでしょう。