部屋の飾りは「ほどほど」がいい理由
子ども部屋や教室の装飾にも注意が必要です。
ガチャガチャうるさい装飾を施した教室と、簡素な装飾をした教室で生徒を学習させ、生徒たちの目線を追跡した研究があります(”Visual environment, attention allocation, and learning in young children: When too much of a good ting may be bad.” A. V. Fisher, K. E. Godwin, and H. Seltman.)。
ガチャガチャした教室では、平均でクラス時間の21%の間、生徒たちの目線が教室の装飾に向いていました。一方、簡素な教室では、3%にとどまったのです。
テスト結果も、ガチャガチャした教室の生徒たちは、簡素な教室に比べ、20~30%も下回っていたのです。
ただ、こうした結果があるからといって、簡素な装飾にこだわらなければいけないというわけではありません。
クラスの写真を飾ったり、行事の思い出を想起させる飾りがある場合には、帰属意識を高めたり、モチベーションを上げたりする効果もあるからです。
やや簡素よりの学習環境を求めながらも、装飾があるときは、なぜその装飾があるか?学習やパフォーマンスの効果につながるのか?をしっかり考えながら、子どもの勉強部屋や教室、仕事環境をつくっていく必要があるのです。
(この記事は星友啓公式ブログの人気記事をもとに大幅に書き換えたものです)
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長
経営者、教育者、論理学者
1977年生まれ。スタンフォード大学哲学博士。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。教育テクノロジーとオンライン教育の世界的リーダーとして活躍。コロナ禍でリモート化が急務の世界の教育界で、のべ50ヵ国・2万人以上の教育者を支援。スタンフォード大学のリーダーの一員として、同大学のオンライン化も牽引した。スタンフォード大学哲学部で博士号取得後、講師を経て同大学内にオンラインハイスクールを立ち上げるプロジェクトに参加。オンラインにもかかわらず、同校を近年全米トップ10の常連に、2020年には全米の大学進学校1位にまで押し上げる。世界30ヵ国、全米48州から900人の天才児たちを集め、世界屈指の大学から選りすぐりの学術・教育のエキスパートが100人体制でサポート。設立15年目。反転授業を取り入れ、世界トップのクオリティ教育を実現させたことで、アメリカのみならず世界の教育界で大きな注目を集める。本書が初の著書。
【著者公式サイト】(最新情報やブログを配信中)
https://tomohirohoshi.com/