「100万票差の衝撃」がなお尾を引く。3月21日に投開票された千葉県知事選のことだ。当選したのは前千葉市長の熊谷俊人(43)。得票は140万9496票。これに対し自民党推薦の前県議、関政幸(41)は38万4723票に沈んだ。その差はなんと約100万票。千葉県選出の閣僚経験者は声を失った。
「負けるのはしょうがないにしても、これほど無残な負け方をするとは思わなかった」
長い自民党の歴史の中でも特筆すべき敗北だった。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
元プロ野球監督、野村克也が言った名言が浮かんでくる。まさに自民党は負けるべくして負けた選挙。負ける要素が全てそろったと言ってもよかった。
まずは出遅れだ。現知事の森田健作(71)が早い段階で今期限りの引退とみられていた中で、自民党は候補者の人選に手間取り迷走した。一時はソウル五輪の金メダリストでもある前スポーツ庁長官の鈴木大地(54)が浮上したが、大詰めの段階で頓挫した。