米大統領のジョー・バイデンは世界の首脳の中で最も早く会談する相手に日本の首相、菅義偉を指名した。菅にとっては「世界の菅」となるチャンスだが、同時に日本のトップリーダーとしての力量が問われる
米大統領のジョー・バイデンは世界の首脳の中で最も早く会談する相手に日本の首相、菅義偉を指名した。菅にとっては「世界の菅」となるチャンスだが、同時に日本のトップリーダーとしての力量が問われる Photo:AFLO

 首相の菅義偉は3月29日昼前、首相官邸から道路1本隔てて隣接する衆院第1議員会館に向かった。最上階の12階に事務所がある前首相の安倍晋三を訪ねるためだ。菅と安倍が2人だけで会うのは昨年10月以来ほぼ半年ぶり。菅は4月8日から初の訪米が予定されている。

 安倍は第1次、第2次の政権を通してブッシュ、オバマ、トランプという3人の米大統領と実に二十数回も日米首脳会談を重ねた。トランプとは4回もゴルフを一緒にプレーするほどの関係を築いた。これに電話会談も加わる。まさに百戦錬磨。安倍を超える指南役はいない。安倍は日米首脳会談の意味、意義を知り尽くしている。

 その安倍ですら2012年12月、首相に返り咲いた際の日米首脳会談のセットは難航した。当時の大統領、オバマの色よい返事がなく、結局、最初に安倍・オバマ会談が行われたのは翌13年2月。しかも短時間に終わっている。

 これに対し、1月に大統領に就任したジョー・バイデンは世界中の誰よりも早く会談する首脳に菅を指名した。もちろん日本政府がホワイトハウスや米国務省に強く働き掛けたこともあったが、外務省幹部は「受け入れ側の米政府の意向が強く働いた結果」と語る。