「学生から寄せられたフリーコメントを見ていると、親が『大企業じゃないとダメと意見を押し付けてきた』『県外の企業に内定をもらったあと、地元企業のほうがいいのではないかと強く言われた』という人がいた。

 そもそも大学生くらいの子というのは、親の意見など耳に入らないもの。それなのに、やっと内定をもらえた後にねぎらいの言葉もなく、親からこうした言葉をかけられれば、学生のやる気がそがれてしまうのも無理はないだろう」(増本所長)

 こうした就職先などに関する親の反対については、レバレジーズが行った調査結果からも明らかになっている。同社が行った『キャリアチケット 就職動向に関する調査(2021年卒版)』によると、就職活動で親に反対された内容では、「仕事内容」が最も多く23.4%、次いで「業界」(20.3%)、「勤務地が遠い」(18.8%)となった。

 その他、6位には「自分の気持ちをくんだ言葉をかけてくれなかった」(6.4%)、7位「保護者や別の世代の人と比べられた」(5.5%)もランクインしており、親の無神経な発言に不快感を持った学生もいたようだ。

「例えば『がんばれ』という言葉一つとっても、不合格が続く中で言われれば、『がんばってるよ!』と反発したくなるもの。親は声をかけるタイミングも、よく考えなければならない。

 また、7位の『保護者や別の世代の人と比べられた』については、時代の流れとともに就職を取り巻く環境が変わっているにもかかわらず、親が何も知らずに意見してくることに子がいら立ちを覚えていることの表れだろう。親世代は今の就職環境が自分たちの頃とどう変わったのか、しっかりと違いを理解しながら、わが子に接していただきたい」(増本所長)

 就活生のわが子に対して、自分の社会人経験を通して、親として意見を言いたい気持ちも分からなくはない。しかし、今回のアンケートの結果やフリーコメントから分かるように、「否定」「誰かとの比較」「意見の押し付け」はわが子の意欲を低下させる恐れもあるため要注意だ。保護者の方々には、ランキングの結果も参考にしながら、わが子の就職活動をぜひ前向きに支援してほしい。