ネットフリックスに学ぶ、レベルの高い社員を育てるために必要な環境Photo:Cameron Venti on Unsplash

これからの時代、「自走する組織(社員それぞれが判断して事業運営をする組織)」が競争に勝ち残るだろう。しかし、「うちの社員はそんなレベルに達していない」という人もいる。しかし、能力の問題ではなく、そのような社員を活躍させる環境を作っているかどうかが大事だ。鍵はチャットとクラウドだ。(Almoha共同創業者 唐澤俊輔)

環境を整えれば、レベルの高い社員が育つ

 自走する組織では、上司が細かく管理せずとも、メンバーがパフォーマンスを上げられることが求められ、当然社員はセルフマネジメントが最低限できなければ仕事にならない

 そのため、「社員のレベルが低いから、うちでは自走する組織はまだ早い」という声をよく耳にする。では、いつになったらできるようになるというのだろうか?

 新入社員は毎年入ってくるので、全社員が社会人歴20年のベテランだという日は来ないし、そもそもこれまでも育成はずっとやってきたはずだ。そうした中で、今の社員が自走できるレベルにないとからといって、成長するのを待っていても、その日は一向に来ない。

 ではどうするかというと、社員が自走できる環境を整え、自走しやすい仕組みを作ることから始めればいい。優秀な人材をそろえれば自走できる環境になるのではない。自走できる環境を整えれば、レベルの高い人材が育つのだ。

「考えない人材」を育ててきた組織

 経営者やマネージャーは、社員が自ら考え行動してほしいと願っている。そう願っていながらも、残念ながら組織というものは「考えない人材」を生み出すことが得意である。

 なぜなら、組織ではエラーを避ける力学が強く働くからだ。

 エラーが発生すると、その対応に追われ、業績にマイナスの影響を及ぼす。そのため、失敗が起これば繰り返さないように、ルールやマニュアルを作ってエラーを避けようとする。

 これはごく自然な流れといえそうだが、「自走する組織」においては注意すべきだ。エラーを防ぐためのルールは、エラーを起こす一部の人材のためにできているのだ。