著者はハーバード大学とスタンフォード大学に計11年在籍し、世界的権威の2大科学誌『ネイチャー』『サイエンス』に論文が掲載されたスーパードクターだ。
帰国後、東京・錦糸町に「眼科 かじわらアイ・ケア・クリニック」を開設するやいなや、地元だけでなく、噂を聞きつけて全国各地から来院する患者が後を立たない。そんなカリスマ名医の初の著書『ハーバード × スタンフォードの眼科医が教える 放っておくと怖い目の症状25』から、誤解だらけの目の常識と自宅で気軽にできる一生モノの目の健康法を科学的な事実に基づいてお伝えする。

【ハーバード × スタンフォードの眼科医が指南】<br />難しいことはわかりませんが、<br />目の不調について教えてください!Photo: Adobe Stock

目はさまざまな働きをする
パーツが集まった“小型精密機械”

私たちの脳に届く情報のおよそ8割は、目から入るといわれます。

それほどに目は重要な「感覚器官」なのです。

目でモノを見る仕組みは、よくフィルム式のカメラにたとえられます。
簡単に説明すると、図のようになります。

【ハーバード × スタンフォードの眼科医が指南】<br />難しいことはわかりませんが、<br />目の不調について教えてください!

カメラで撮影するときは、シャッターを押す前にピントを合わせたり、光の量を絞ったりして調整します。

私たちの目も、「角膜」という第1のレンズを通った光は、「虹彩(こうさい)」という“絞り”で光の量を調整。虹彩の中央には「瞳孔(どうこう)」という穴があり、明るいところでは小さく絞り、暗いところでは大きく開いて、目の奥に届く光の量を調節しています。

瞳孔を通過した光は「水晶体」という第2のレンズが、自身の厚みを変化させてピントを合わせます。
水晶体を過ぎると、眼球の中を満たすゼリー状の物質である「硝子体」を光が通過。

硝子体は眼球の形を維持すると同時に、水晶体で屈折した像をフィルムである「網膜」で結ぶまで、一定の距離を維持します。

このように、目はさまざまな働きをするパーツが集まった“小型精密機械”ともいえます。それだけに、いろいろな場所で不具合を起こしやすく、病気の種類も多岐にわたるのです。

しかも病名は漢字だらけで専門的ですし、「何がどうなっているのかわかりにくい」という患者さんも多いです。

そこでこれから、代表的な目の症状から考えられる原因と対処法を紹介していくことにします。

よく患者さんに聞かれる質問をベースに、Q&A形式でわかりやすく説明していきましょう。