コンパクトな住まいのテレワーク術(2)
家の外にスペースを確保する

 家族全員分の個室がない住宅では、1年前、「物置と化した空き部屋」「寝室」「納戸」などの一部を片づけて、ワークスペースを捻出した人は多かったと思います。

 今、そのスペースの居心地はいかがでしょうか。

 モノとモノの隙間にいるような状態で落ち着かない、または窮屈だと感じているなら、その圧迫感を追い出しましょう。

 とは言え、「捨てて」「手放して」「まとめて」何とかひねり出したスペース。これ以上モノを減らすことが難しい場合、コストをかけてスペースを広くする方法を検討してみるのもひとつです。

1)モノを家の外で管理する

・ベランダなどに物置を置く
 温度や湿度の影響を受けやすい環境ではありますが、手軽にモノを逃がせるのが利点です。アウトドアグッズ、外遊び用品、防災グッズ、災害備蓄用の飲料・保存食などが収納可能。マンションのベランダに設置する場合、避難経路を塞がないよう注意が必要です。

・外部のレンタル倉庫を手配する
 温度・湿度が安定している一方、多少なりとも住まいから離れるため「収めたきり、存在を忘れてしまう」リスクも大きい場所です。逃がすなら、今後必ず使う予定のあるモノだけにしましょう。季節の飾り物や家電、期限付きの保管書類、スーツケースなどが最適。

 部屋の空間に余裕ができれば、ワークスペースをゆったり取れるだけでなく、例えばパーテーションを設置して他のエリアと切り分けて、より集中しやすい環境に整えることもできます。パーテーションは、空間に十分な余裕ができて初めて効果的に使用できるものなので、間違っても、部屋の中に家具やモノが詰まったままの状態で導入しないようにしてください。絶望的な圧迫感が生まれてしまいますよ。

2)自分が家の外にスペースを持つ

・ベランダにテーブルと椅子を置く
・家の外のカフェやレンタルスペースを利用する

 室外のワークスペースは、真夏・真冬は使えないサブスペースにはなりますが、気分転換には持ってこいの環境です。また、家の外にお決まりの場所を持つことで、ON・OFFの切り替えもしやすくなります。

 いずれも継続的にコストのかかる話ですが、一時的な非常事態をしのげればよい段階はもう過ぎました。快適なテレワーク環境に必要な投資と割り切るのもひとつの考え方ではないでしょうか。