週刊ダイヤモンド

 みなさんは裁判を受けたり、起こしたりした経験はありますか?もしくは裁判を傍聴したことはありますか? おそらく多くの方々は、そのような経験などなく、裁判所を縁遠いものと考えているのではないでしょうか。

 しかし、裁判って意外に身近なものなんです。もしかしたら近い将来、満員電車の中で痴漢に間違えられて逮捕、刑事裁判を受ける羽目になってしまうかもしれません。また交通事故に遭ったり、敷金トラブルに巻き込まれたりして、裁判以外に解決方法がないといったこともあるでしょう。

 たとえそこまではないにしても、来年には裁判員制度がスタートします。裁判員の選定は半年後に迫っており、その候補者として30万人が選ばれることになっています。もしかしたら、あなた自身が選ばれることになるかもしれません。特に金沢、千葉、津にお住まいの方は要注意。なぜかって?その理由は本誌に書いてあります。

 今回の特集では、裁判員制度の解説はもちろんのこと、現役裁判官と元裁判官が参加しての座談会や、判決を言い渡す際に裁判官が発したトンデモお言葉集など、普段はうかがい知れない裁判官たちの素顔にも迫っています。

 法廷では法服を身にまとい、威厳を保っている裁判官たちですが、無料クーポン券を持って居酒屋に行ったり、パチンコ好きもいたりと、いたって普通のサラリーマンと変わらない日常を過ごしています。地方だと、そんな日常の場で保釈中の被告と鉢合わせし、気まずかった経験をした裁判官もいました。

 また、裁判官は間違いなど起こさないようにも見えますが、休みがとれないほど忙しいこともあって、じつはミスの連発だとか。なかには言い渡した後の判決文を回収して訂正する裁判官もいるようです。

 特に裁判官のトンデモお言葉集は痛烈です。判決のあと被告を諭す裁判官も多いのですが、ある裁判官は「犬のうんこですら肥料になる。暴走族なんて産業廃棄物以下じゃないか」という発言したそうです。なかなか言える台詞じゃありませんよね。

 そのほか、自身を守る裁判・法律活用法といった実用的な情報まで幅広く網羅、痴漢冤罪対策や、泣き寝入りしないための少額訴訟の起こし方といったノウハウも満載です。

 「裁判がオカシイ!」とのタイトルにあるように、今の日本の裁判は面白い側面がある一方で、ちょっと変で非常識な側面も多々あります。日本をダメにしたのは裁判のせいだという批判があるくらいです。そうした実情にも迫っています。

 最後まで読んでいただければ、裁判に興味を持ち、暇な時の時間つぶしや営業の途中などで、ふらり「裁判所をのぞいてみようかな」という気になること間違いなしです。裁判員制度スタートの前に、是非、ご一読ください。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 田島靖久)