日本の性教育不足は
「不幸」を招く

 私は約2年前、若年性更年期障害を疑い、婦人科を受診。ホルモン検査を受けた結果、「PMDD」と診断され、心療内科の受診を勧められた。

 PMS(PreMenstrual Syndorome:月経前症候群)・PMDD(PreMenstrual Dysphoric Disorder:月経前不快気分障害)とは、月経開始の3~10日前から始まる精神的・身体的症状で、月経開始とともに減退、消失するのが特徴だ。

 現在月経のある女性の7〜8割が、月経前に落ち込みやイライラ、不安や緊張感、頭痛や腹痛、不眠や過眠などの症状、約1割が社会生活に影響があるほどの症状を持っているといわれ、また約1割がPMDDとの報告もあり、治療の対象となる。

 私は診断されるまで、PMDDという病気を知らなかった。当時はネットで調べても、PMSに関する情報は複数あったが、PMDDはほとんど見つからなかった。そこで私は、PMDDという病気の認知度の低さを問題視し、「まずは知ってもらうことが大事だ」と考え、PMS・PMDDに苦しむ女性やその周辺の人に話を聞き、記事を発信し始めた。また、昨年は当事者同士が情報交換し、悩みを共有し合う場が必要と考え、「月経前の悩みに寄り添う会」を立ち上げた。

 約2年にわたるその活動の中で、私は日本の性教育の不足が、PMS・PMDDに悩む女性やその周囲の人たちを苦しめている要因のひとつなのではないかと考えるようになっていった。

 なぜなら、小学校高学年の頃に月経に関する授業を受けた記憶はあるが、「月経前後に精神的・身体的にしばしば不調になることがある」ということを学んだ記憶はないからだ。もちろん、月経前後に不調になった場合に、「治療できる」ということも教えられてはいない。ただ、ある日突然男女別にされ、女子は女性の体の仕組みや月経が起こるメカニズムを教わり、男子はその間、校庭で遊んでいたという記憶が残っているに過ぎない。

 もしもこのとき、「月経前後に精神的・身体的にしばしば不調になることがある」ということや、「治療できる」ということを教わっていれば、長い間不調の原因が分からず、1人で苦しまなくて済んだのではないか。また、男子もこのとき、女子の月経について一緒に学んでいれば、彼女や妻、職場の女性などが月経で辛そうなとき、対応の仕方や受け取り方が違っていただろうと思うのだ。