日本の航空会社がラウンジの食事内容を変えた!

 しかし、私は、日本の中華レストランではあまりラーメンを頼まない。大抵の店がおいしくないからだ。家の近くにあり、食堂代わりに使っている中華レストランでもラーメンは頼まない。中華麺を食べたくなると、銀座の「四季・陸氏厨房」や中野富士見町の「小薇点心」に行く。数年前に池袋にできた蘭州ラーメン店も時々利用している。なぜかというと、これらの中華レストランは品質と味に非常にこだわっているからだ。

 麺食いの私は、2006年、日本の航空会社が運営する空港ラウンジの食事について、改善を求めたことがある。

 当時、取材で香港を訪れたとき、香港空港にあるキャセイパシフィック航空ラウンジのサービスの充実ぶりに目を見張った。ヌードルバーと呼ばれるコーナーがあり、その場でラーメンを作ってくれる。台湾風の魯肉麺、地元香港名物の雲呑(ワンタン)麺、四川風の担担麺、そして日本風のラーメンとメニューも豊富だ。特に日本人に喜ばれていると聞いた。

 日本に戻ったあと、当時全国紙に持っていた私のコラムで、その感動を紹介した。同時に日本の航空会社が国内空港に設けているラウンジの食事内容の寂しさを嘆いた。それで私は「空港ラウンジで温麺を」と日本の航空会社に改善を求めた。しばらくしてから、全日空から空港ラウンジの見学に誘われた。話を聞くと、成田空港の第2ターミナルから第1ターミナル南ウイングに移転したことに合わせて、スターアライアンス加盟航空会社のファーストクラスやビジネスクラスの乗客が利用するラウンジを新しく作り、キャセイパシフィック航空のラウンジと同じくそばやうどんを提供するコーナーを設けた、という(参照「機内食で感じた、日本企業のサービス改善への真摯な努力」)。

 私は、こうしたところに見られるような「ソフトパワーにおいては、中国はまだまだ先輩役の日本に学ぶべきだ」と中国の航空会社に改善を促した。しかし、読者の声にあまり耳を傾けないという中国の航空会社(国有企業)の体質もあり、日本のメディアで発した私の声は日本ほど速やかに届かないだろうと思い、こうした面での改善も大して期待しなかった。

 しかし、激しい競争のなかで、中国の航空会社も一部ながら競争意識に目覚めた。